李完九(イ・ワング)首相の離任式が27日、政府ソウル庁舎で行われた。自殺した元国会議員で建設・開発会社「京南企業」前会長の成完鍾(ソン・ワンジョン)氏が、有力政治家らに賄賂を贈っていたことを示唆するメモを残していた問題で捜査線に浮上し、就任からわずか70日での辞任となった。南米4カ国を歴訪中だった朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に辞意を伝えた今月20日を基準とすれば、在任期間は63日となる。李首相はこの1週間、執務を中断してソウル市内の公邸に引きこもり、朴大統領の帰国を待っていた。後任が決まるまで少なくとも1カ月間は、国政のナンバー2である首相職が空席になるとみられる。
離任式で李首相は「最近の状況について、国民の皆様に多くの心配をおかけしたことを非常に申し訳ないと考えている。申し上げたいことは沢山あるが、真実は必ず明らかになると信じ、今日は余白を残してこの場を去りたいと思う」と述べた。
李首相は、2013年の国会議員再選挙の当時、成完鍾氏から現金3000万ウォン(現在のレートで約330万円)を受け取った疑いが浮上している。今後、李首相は国会議員の身分を維持したまま、検察の捜査を受けることになる見通しだ。
離任式には各省庁の職員約300人が出席し、首相の職務を代行するチェ・ギョンファン経済担当副首相(企画財政部〈省に相当〉長官を兼任)や、いわゆる「成完鍾リスト」問題についての捜査を指揮する黄教安(ファン・ギョアン)法務部長官などと共に最後の記念撮影をした。離任式の直後、李首相は体調不良を訴え、ソウル市内の病院に入院したことが分かった。