北朝鮮当局が今年から、共同農場の土地や家畜を家族単位に分けて耕作・管理させる家族単位分組都給(請負)制度(圃〈ほ〉田担当責任制度)を全国的に実施していることが分かった。北朝鮮はこれまで、中国式の家族営農制度を模倣した家族単位分組都給制度を、一部の地域で試験的に運営してきた。
北朝鮮の事情に詳しい消息筋は27日「今月中旬から、農業生産や畜産業で画期的な発展を成し遂げるため、平安南道粛川郡と南浦市江西郡清山里を除く北朝鮮の全ての農村で家族単位分組都給制度を実施せよという指示が下った」と伝えた。分組都給制度とは、およそ20-30人からなる分組に土地や家畜を分配し、管理させるシステムで、家族単位分組都給制度とは、分組を2-3家族(6-7人)規模に縮小して一つの圃田(農地)を任せ、生産物の処分権を与える制度だ。
この消息筋は「家族単位分組で生産した収穫物のうち、50%は個人のものになり、30% は中央政府に、20%は地域政府に納める。各家族が独自に農業を営むようになり、農民の生産意欲は高まった」と伝えた。家族単位分組都給制度の実施とともに、生産物を市場価格で買い上げ、分配食糧も独自に処分できるようにしており、農民の自律性も拡大しているという。農村で共産主義集団農場体制が事実上崩壊し、市場経済と関係ある個人営農方式が根付き始めたのだ。