前田敦子は幸運を逃してない? オスカー監督と対談〈AERA〉
dot. 5月2日(土)16時7分配信
新作から旧作まで、年間100本以上の映画を見る若手女優・前田敦子が、モノクロ映画『アーティスト』でアカデミー賞を受賞したミシェル・アザナヴィシウス監督と対談。2人が語った、映画を見る、関わることで得られる「幸せ」とは。
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前田:映画を見る立場で言うと私は、昔のモノクロ映画に出てくる女優さんのアップが、すごく好きなんです。アップだけですべてを訴えかけてくる女優さんを見ていると、それだけで幸せな気持ちになれます(笑)。
監督:オーソン・ウェルズが、俳優にとってモノクロ映画は最大の友達だ、というようなことを言っています。モノクロ映画だと、女優が本当に神々しく見えるんですよね。
前田:そうです。すべてがキラキラしています!
監督:当時は、画面の縦横の比率がいまと違い、正方形に近いフォーマットです。クローズアップだとほぼスクリーン全体が顔になり、俳優の存在感がより強調されるんです。ライティングもずいぶん違っていました。
前田:撮り方も全く違ったんですね。「アーティスト」も当時の手法で撮られたんですよね。
監督:たくさん当時の映画を見て、どうやったらあの神々しい画が撮れるのか分析しました。
前田:監督ご自身、たくさんの作品を見てこられて、特に若手のうちに見ておいたほうがいい作品というのはありますか?
監督:実は昨夜、出演作をDVDで拝見したのですが、とても良い演技をされていました。もうアドバイスは必要ないです。
前田:監督、優しい!
監督:今度、恋愛映画にも出られているんですよね。
前田:「イニシエーション・ラブ」(5月23日公開)という作品です。ミステリー要素も強い、ちょっと変わった恋愛映画です。ネタばらしができないのであんまり内容を話せません(笑)。
監督:幸運を逃していないんだと思います。それは女優として素晴らしいことです。おすすめの作品ではなく、私が好きな作品を一つ挙げるとすれば「アパートの鍵貸します」です。
前田:私も好きです。ビリー・ワイルダー監督の名作。恋愛コメディーですよね! ブルーレイを持っています。
※AERA 2015年4月27日号より抜粋
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