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岸元首相が日米安保条約に仕組んだ第10条「通告するだけで破棄できる」と孫崎享著『戦後史の正体』
2012年07月28日14:05
小沢さんがオスプレイ搬入は「米国追随の事例だ」と批判した。

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「アメリカの意のままに、政府が追随する関係を示す典型的な事例ではないか」と報道されているが、その部分を書き起こしてみた。

参照
小沢氏“オスプレイは米追随の事例”(NHKニュース7月26日)
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(対象部分書き起こし)

≪「日米同盟」という言葉を皆んな使いますけれども、私から言わせれば本来の同盟関係ではないと。同盟というのは少なくとも日米二国間においては対等の関係であり、今日の日米関係というのは名ばかりで事実上、アメリカの政治、軍事あらゆる面に渡って国際戦略に沿って、日本政府が追随をしていくという関係ではないか。
今回のオスプレイの搬入については最も典型的な事例ではないかと思っております。といいいますのは、やはり国内においても色々な安全性についても疑問が提示されている。そういうさなかの中で両国内の事情や色々な意見が、日本政府がアメリカ側に伝えられているフシが全く見当たらない。・・・≫


動画:(資料ブログ)
2012年7月26日新しい政策研究会定例会


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この日米関係と言えば今、話題沸騰中の孫崎享氏の著書『戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)』で、一通り慣らし読みをして、今本格的に読んでいる途中だが、重要な部分だけ抜き出してみる。


戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)
孫崎 享

創元社
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この本の一番の特色が、日本の戦後史が米国に対する「追随路線」と「自立路線」のせめぎ合いの歴史であり、その視点で見ることで過去の出来事の背後にあったものが見え、現在が見えてくることを解き明かしている点だと思う。


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(以下、あとがきより書き写し)

戦後の歴代首相を「自主」と「対米追随」に分類

(1)自主派(積極的に現状を変えようと米国に働きかけた人たち)

重光葵(幸福直後の軍事植民地化政策を阻止。のちに米軍完全撤退案を米国に示す)

石橋湛山(敗戦直後、膨大な米軍駐留経費の削減を求める)

芦田均(外相時代、米国に対し米軍の「有事駐留」案を示す)

岸信介(従属色の強い旧安保条約を改定。さらに米軍基地の治外法権を認めた行政協定の見直しも行おうと試みる)

鳩山一郎(対米自主路線をとなえ、米国が敵視するソ連との国交回復を実現)

佐藤栄作(ベトナム戦争で沖縄の米軍基地の価値が高まるなか、沖縄返還を実施)

田中角栄(米国の強い反対を押しきって、日中国交回復を実現)

福田赳夫(ASEAN外交を推進するなど、米国一辺倒でない外交を展開)

宮沢喜一(基本的に対米協調。しかしクリントン大統領に対しては対等以上の態度で交渉)

細川護煕(「樋口レポート」の作成を指示。「日米同盟」よりも「多角的安全保障」を重視)

鳩山由起夫 (「普天間基地の県外、国外への移設」と「東アジア共同体」を提唱)


(2) 対米追随派(米国に従い、その信頼を得ることで国益を最大化しようとした人たち)

吉田茂(米国に従い、その信頼を得ることで国益を最大かしようとした人たち)

池田勇人(安保闘争以降、安全保障問題を封印し、経済に特化)

三木武夫(米国が嫌った田中角栄を裁判で有罪にするため、特別な行動をとる)

中曽根康弘(安全保障面では「日本は不沈空母になる」発言、経済面ではプラザ合意で円高基調の土台をつくる)

小泉純一郎(安全保障では自衛隊の海外派遣、経済では郵政民営化など制度の米国化推進)


海部俊樹
小渕恵三
森嘉朗、
安倍晋三
麻生太郎
管直人
野田佳彦


(3) 一部抵抗派(特定の問題について米国からの圧力に抵抗した人たち)

鈴木善幸(米国からの防衛費増額要請を拒否。米国との軍事協力は行わないと明言)

竹下登(金融面では協力。その一方、安全保障面では米国が世界的規模で自衛隊が協力するよう要請してきたことに抵抗)

橋本龍太郎(長野五輪中の米軍の武力行使自粛を要求。「米国債を大幅に売りたい」発言」)

福田康夫 (アフガンへの陸上自衛隊の大規模派遣要求を拒否。破綻寸前の米金融会社への巨額融資に消極姿)


長期政権となった吉田茂、池田勇人、中曽根康弘、小泉純一郎の各首相は、いずれも「対米追従」




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日本社会の中に「自主派」の首相を引きずりおろし、「対米追随派」にすげかえるためのシステムが埋め込まれている

1.検察
なかでも特捜部はしばしば政治家を起訴。特捜部の前進はGHQの指揮下にあった「隠匿退蔵物資事件特捜部」で終戦直後、日本人が隠した「お宝」を探し出しGHQに差し出すのがその役目だった。したがって、検察特捜部は、創設当初からどの組織よりも米国と密接な関係を維持してきた。

2.報道
占領期から今日まで、米国は大手マスコミのなかに、「米国と特別な関係をもつ人びと」を育成してきた。

3.外務省、防衛省、財務省、大学などのなかにも、「米国と特別な関係をもつ人びと」が育成されている。



自主派の政治家」を追い落とすパターン

①占領軍の指示により公職追放する
鳩山一郎、石橋湛山

②検察が起訴し、マスコミが大々的に報道し、政治生命を絶つ
芦田均、田中角栄、少し異色ですが小沢一郎

③政権内の重要人物を切ることを求め、結果的に内閣を崩壊させる
片山哲、細川護煕

④米国が支持しないことを強調し、党内の反対勢力の勢いを強める
鳩山由紀夫、福田康夫

⑤選挙で敗北  
宮沢喜一

⑥大衆を動員し、政権を崩壊させる
岸信介


≪この六つのパターンのいずれにおいても、大手マスコミが連動して、それぞれの首相に反対する強力なキャンペーンを行なっています。今回、戦後70年の歴史を振り返ってみて、改めてマスコミが日本の政変に深く関与している事実を知りました。
このように米国は、好ましくないと思う日本の首相を、いくつかのシステムを駆使して 排除することができます。難しいことではありません。 たとえば米国の大統領が日本の首相となかなか会ってくれず、そのことを大手マスコミが 問題にすれば、それだけで政権は持ちません。それが日本の現実なのです。≫



・参照:233ページ

≪2009年に自民党から民主党に政権交代が起こった際にも、当初米国にきびしい姿勢をとった鳩山由紀夫氏や小沢一郎氏に代わって、いつのまにか、野田佳彦氏、前原誠司氏など、米国との関係を重視する松下政経塾出身者が民主党内で勢力をもつようになります。米国がいかに長期的戦略をもって日本に対応しているか・・・≫



・参照:360ページ

≪鳩山政権が普天間基地の「最低でも県外移転」を主張して、米国につぶされたのは誰のメカラ見てもあきらかでした。おそらくそのためでしょう。鳩山首相をひきついだ菅首相、野田首相は、ふたりとも極端な対米追従路線に転換します。その代表が、TPP参加問題です。≫



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実は、今日のメインはここから。

この本について、鳩山グループの勉強会で孫崎氏が講演しているが、その中でこの本にも書かれていない、日米安保に隠された岸信介元首相の仕掛けを孫崎氏が語っている。

岸元首相は、政治家としての60%は安保条約に費やしたと自ら言っている、とのこと。





(以下、要約&書き起こし)

オスプレイ問題で地位協定では双方が合意しない限り変えられないとの議論のあとで・・・。

53:00~

孫崎
一回安保条約を破棄すれば現行の日米地位協定も切れる。そして、新しい安保条約の下に新たな地位協定をつくればいい。
今の地位協定で米軍の配置を変えようとしても、米軍がNOと言えば何もできない。安保条約自体を一度破棄することによって、もう一度我々の意向が入った地位協定を作ることができる。

55:00~ 
山田元農相の質問
安保条約を詳しくは読んでないですけれども、あの中に破棄できるようになっているわけですね?

孫崎
そうです。

山田
どういう場合に破棄できるんですか?

孫崎
10年経ったら、通告すればいいんです。そしたら一年後に破棄できるんです。通告だけでいんです。
それを岸(信介元首相)さんが盛り込んだんです。1970年以降はもうそれでいい。岸さんの時はまだできなかった。だから、1970年以降の政治家にできるように仕組んだんだと思います。


山田
それをずっと更新されてきたわけですね。

孫崎
いや、だから今も止めると言えばいいんです。
鳩山総理が「俺は1年後にやめる」という通告をすれば終わるんです。

山田
それが一番地位協定を変えるのに早いですね。

孫崎
そうだったんです。いや、わたし今の話は、実は私の頭でわかっていたのではなくて、2日前にツイッターの人から電話があったんですよ。

「先生の本を今読んでいるんだけれども、岸さんがこういうことをやったというけれども、岸さんが10年で止めるということをいい、それが地位協定とこういう関係になっているというのを、あなた何で言わないんですか」って言われたんですよ。

私、気が付かなかったんだと・・・。だからツイッターというのはいろんな人がいろんな事を教えてくれるんですよね。

(以上、要約&書き起こし)


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実は、この10条の問題というのは1ヶ月前、CNM(市民ネットメディアグループ)のメンバーで、大阪の『討論barシチズン』で討論会をやったときに藤島利久氏からの発言で初めて知ったことだった。

米国の意に沿わない政治家はことごとくパージされ対米従属が続いている、というような議論が続いている時の中で出てきた。



21:33~
藤島
日米安保条約の10条には決定的なことが書いてある。
・・・
この条約はどちら片方の国が破棄したくなったら、なんの齟齬もなく通告をし、1年後には解除できると書いてある。

だから我々は、日米安保条約の10条通告をできる、すなわち日米安保条約をいらないと発言できる総理大臣を選挙でつくる政権を樹立すればいい。

管理人
生田弁護士が言っていた、日米安保を守るために、反対する裁判長は排除され地方へ飛ばされてきた。

藤島
「原発が大関」、「横綱は日米安保条約」でそれを守る為に裁判所の仕切りを全部やられ、そのためにCIAが暗躍した。
・・・

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参照:
日米安保条約

第十条
 この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。
 もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。


日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約』(外務省HPより)


今後、自主独立をする上でも、藤島氏がいうように、この第10条を通告できる骨のある政治家を当選させ、総理大臣にして実行してもらう事でしか、真の日本の米国支配の属国として植民地としての関係に終止符を打つことはできないだる。

この条文に仕掛けを作った岸元首相も、まさか、2012年の今日に至るまで変わってないことなどは予想だにしていなかっただろう。


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カテゴリ : 日米関係

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