この2週間は学生たちにとって悪名高い中間試験期間だった。チェさんは試験とデモの準備で一日3-4時間しか寝られなかった。特に、李容洙さんを招待しての懇談会や反安倍デモが行われた26日と27日は、一日1時間寝られるかどうかという強行スケジュールだった。チェさんは「デモが終わって2週間ぶりに8時間寝た。数十年間にわたり慰安婦の真実を伝えるため苦労なさってきた方々の努力に比べれば、少しの間の睡眠不足なんて取るに足らないこと」と言った。
ソウル生まれで大元外国語高校を卒業したチェさんは「韓国人だから当然、慰安婦問題に関心があったが、ハーバード大学に入学してからはいっそう客観的な視点を持てるようになった。外国人学生に慰安婦問題のことを話すと、ほとんどが『韓国と日本の政治・外交的問題ではないか』と言われる。女性の人権蹂躙(じゅうりん)という普遍的な問題だと説得するため、英文の資料を探して教授の皆さんに助言するなど、たくさん勉強した」と語った。
チェさんは今回、学生1000人に慰安婦の惨状を伝える英文資料を配布した。デモ現場では初めて会う外国人学生が「おかげで慰安婦問題の深刻さが分かった。すごいことをやってのけたね」と励ましてくれた。チェさんは「元慰安婦は誰かにとっての娘、姉妹、母だった。真実を知り、心痛を共有する人が増えれば増えるほど、慰安婦問題は元慰安婦20万人だけでなく200万人、2000万人の問題に変わるかもしれない」と言った。