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この世の果てブログ

読む、観る、買う、行く、食う、寝る、試す、記す、愛でる、捨てる、生きる、氷点下の熱情、官能の極北。

「母性愛」がテーマになっちゃった - 『(完結編じゃない方の)寄生獣』★★★☆☆(または★★☆☆☆)

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iTunes Store にてレンタル。原作大好き、Hulu で見たアニメ版はそこそこ好き。現在『完結編』が劇場で公開中。

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寄生獣

寄生獣

  • 山崎貴
  • 日本映画
  • ¥2000

原作原理主義に陥ることなく単体の映画としてみれば、それなりに楽しめる作品になっていた。パラサイトの VFX での描写も、ちゃんとグロテスクでよかった。特に東出昌大氏なんちゅうのは、『桐島、部活やめるってよ』や NHK の朝の連ドラでもパラサイト感を醸し出していたので、超適役。

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逆に、深津絵里さんが演じる田宮良子は、表情がありすぎてちょっと微妙。

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ただ、原作にこだわると、はっきりいってかなり雑な改変がなされているので、評価は変わってしまう。例えば冒頭の以下のナレーション。漫画にもある印象的なもの。

人間の数が半分になったら、
燃やされる森の数も半分で済むのだろうか。
人間の数が100分の1になったら、
垂れ流される毒も100分の1になるのだろうか。
地球上の誰かがふと思った
みんなの命を守らなければ。

これを、なんと田宮良子を演じる深津絵里さんが読んでいる。田宮良子が地球環境を心配するかよ……。


他もに、頭を乗っ取られた母ちゃんの意志が微妙に残っているような描写があったり。うーん。そういったセンチメンタリズムが排されていたのが原作の魅力の一つだったような気もするのだが、「母性愛」を過剰にテーマにしちゃった感が、強い。


全然意識がある里美ちゃんの目の前でミギーを振り回す新一君。好きな子には正体を隠さないスタイル。『スパイダーマン2』かな。

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あと、言い出したらキリがないが、ラスト近くで、浅野忠信氏が演じる「後藤」がソテーされた人肉をキザに食うシーン。あんだけしっかり調理されてるのにピアスが混じってて食っちゃう、といった雑な虚仮威し的演出も、鼻白む。


原作の偉大さを再確認。ということで、原作度外視なら★3つ、原作にこだわるなら★2つぐらい。『完結編』が劇場で公開されているが、橋本愛さんがしっかり脱ぐかどうかにしか興味がないので、こちらも iTunes待ち。

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