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憲法改正 必要28% 必要ない25%5月1日 18時00分
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3日は憲法記念日です。NHKの世論調査によりますと、今の憲法を改正する必要があると思うか聞いたところ、「改正する必要があると思う」は28%、「改正する必要はないと思う」は25%で「どちらともいえない」は43%でした。一方、憲法9条については「改正する必要があると思う」は22%、「改正する必要はないと思う」は38%で「どちらともいえない」は34%でした。
調査の概要
NHKは、先月17日から3日間、全国の18歳以上の男女に対し、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行い、2528人のうち、61%に当たる1551人から回答を得ました。改憲への賛否
今の憲法を改正する必要があると思うか聞きました。
「改正する必要があると思う」が28%、「改正する必要はないと思う」が25%、「どちらともいえない」が43%でした。
NHKがおととしと去年のそれぞれ同じ時期に行った調査と比べると、おととしは「改正する必要がある」が「改正する必要はない」を大きく上回っていましたが、去年はふたつの回答がほぼ同じ割合となり、ことしもほぼ同じ結果となりました。
憲法を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「時代が変わって対応できない問題が出てきたから」が79%と最も多く、「国際社会での役割を果たすために必要だから」が12%、「アメリカに押しつけられた憲法だから」が6%などでした。
憲法を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「戦争の放棄を定めた憲法9条を守りたいから」が67%と最も多く「多少問題はあるが、改正するほどのことはないから」が20%、「今の憲法がいい憲法だと思うから」が9%などでした。
「改正する必要があると思う」が28%、「改正する必要はないと思う」が25%、「どちらともいえない」が43%でした。
NHKがおととしと去年のそれぞれ同じ時期に行った調査と比べると、おととしは「改正する必要がある」が「改正する必要はない」を大きく上回っていましたが、去年はふたつの回答がほぼ同じ割合となり、ことしもほぼ同じ結果となりました。
憲法を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「時代が変わって対応できない問題が出てきたから」が79%と最も多く、「国際社会での役割を果たすために必要だから」が12%、「アメリカに押しつけられた憲法だから」が6%などでした。
憲法を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「戦争の放棄を定めた憲法9条を守りたいから」が67%と最も多く「多少問題はあるが、改正するほどのことはないから」が20%、「今の憲法がいい憲法だと思うから」が9%などでした。
憲法9条改正への賛否
「憲法9条」について改正する必要があると思うか聞きました。「改正する必要があると思う」が22%、「改正する必要はないと思う」が38%、「どちらともいえない」が34%で、「必要はない」という人が「必要」という人を上回りました。
NHKがおととしの同じ時期に行った調査では、憲法9条の改正が「必要」と「必要はない」という人の割合はほぼ同じでしたが、去年の調査では、「必要はない」という回答が「必要」という回答を上回り、ことしもほぼ同じ結果となりました。
憲法9条を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「自衛力を持てることを憲法にはっきりと書くべきだから」が44%、「国連を中心とする軍事活動にも参加できるようにすべきだから」が25%、「自衛隊も含めた軍事力を放棄することを明確にすべきだから」が15%、「海外で武力行使ができるようにすべきだから」が8%などでした。
憲法9条を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「平和憲法としての最も大事な条文だから」が65%、「海外での武力行使の歯止めがなくなるから」と「改正しなくても、憲法解釈の変更で対応できるから」がいずれも13%、「アジア各国などとの国際関係を損なうから」が6%などでした。
NHKがおととしの同じ時期に行った調査では、憲法9条の改正が「必要」と「必要はない」という人の割合はほぼ同じでしたが、去年の調査では、「必要はない」という回答が「必要」という回答を上回り、ことしもほぼ同じ結果となりました。
憲法9条を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「自衛力を持てることを憲法にはっきりと書くべきだから」が44%、「国連を中心とする軍事活動にも参加できるようにすべきだから」が25%、「自衛隊も含めた軍事力を放棄することを明確にすべきだから」が15%、「海外で武力行使ができるようにすべきだから」が8%などでした。
憲法9条を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「平和憲法としての最も大事な条文だから」が65%、「海外での武力行使の歯止めがなくなるから」と「改正しなくても、憲法解釈の変更で対応できるから」がいずれも13%、「アジア各国などとの国際関係を損なうから」が6%などでした。
議論進めば結果は違ってくる
憲法改正を求める立場の駒澤大学の西修名誉教授は、「去年1年間に憲法問題について具体的な提案がなかったため、賛成や反対という明確な答えがなかなか出なかったと思う。国会の憲法調査会で今後、具体的な議論が進めば結果は違ってくるのではないか」と述べました。
また、憲法9条については「最大の問題は政府が『自衛隊は戦力ではない』という分かりにくい解釈をしてきたことにある。あいまいなことはやめて、軍隊を持つということを憲法に明記し、同時にいわゆる文民統制で民主的に制約をかける形にすべきだ」と指摘しました。
また、憲法9条については「最大の問題は政府が『自衛隊は戦力ではない』という分かりにくい解釈をしてきたことにある。あいまいなことはやめて、軍隊を持つということを憲法に明記し、同時にいわゆる文民統制で民主的に制約をかける形にすべきだ」と指摘しました。
憲法守るべきとの社会の傾向示す
今の憲法を守る立場の早稲田大学の長谷部恭男教授は「『憲法のどこの部分も変える必要がない』と考える人が一定の割合でいるということは、今の憲法を守るべきだという社会の傾向を示しているのではないか」と話しています。
また、憲法9条については「9条は日本の国の在り方の根幹に関わるものでいわば憲法の基本原理だが、安保法制が国会で審議され、自衛隊の活動が拡大しようとしているなかで、憲法9条が示す平和主義をやはり守ったほうがいいのではないかという国民の傾向が強くなってきていると思う」と指摘しています。
また、憲法9条については「9条は日本の国の在り方の根幹に関わるものでいわば憲法の基本原理だが、安保法制が国会で審議され、自衛隊の活動が拡大しようとしているなかで、憲法9条が示す平和主義をやはり守ったほうがいいのではないかという国民の傾向が強くなってきていると思う」と指摘しています。
集団的自衛権行使の賛否
政府は、去年、閣議決定で憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認しました。日本が集団的自衛権を行使できるようになることについて、賛成か反対か聞きました。「賛成」が22%、「反対」が30%、「どちらともいえない」が42%でした。
また、政府が、集団的自衛権の行使を容認した理由について、これまで国民に十分説明していると思うか聞きました。「十分説明している」が2%、「ある程度説明している」が30%だったのに対し、「あまり説明していない」が49%、「まったく説明していない」が12%でした。「あまり説明していない」と「まったく説明していない」を合わせると61%、「ある程度説明している」と「十分説明している」を合わせると32%で、「説明していない」と答えた人が「説明している」と答えた人を大きく上回っています。
また、政府が、集団的自衛権の行使を容認した理由について、これまで国民に十分説明していると思うか聞きました。「十分説明している」が2%、「ある程度説明している」が30%だったのに対し、「あまり説明していない」が49%、「まったく説明していない」が12%でした。「あまり説明していない」と「まったく説明していない」を合わせると61%、「ある程度説明している」と「十分説明している」を合わせると32%で、「説明していない」と答えた人が「説明している」と答えた人を大きく上回っています。
日本の安全守るため不可欠
今回の結果について、拓殖大学海外事情研究所所長の川上高司さんは集団的自衛権の行使に賛成の立場から、「中国の脅威が増し、アメリカの影響力が相対的に低下するなか、集団的自衛権の行使は日本の安全を守るために不可欠だ。国民により具体的なケースを示しながら議論すべきではないか」と指摘しています。
閣議決定だけで解釈変更に懸念生まれたか
今回の結果について、憲法学が専門で、早稲田大学教授の水島朝穂さんは、集団的自衛権の行使に反対の立場から、「政府の閣議決定だけで、憲法改正に匹敵する解釈の変更を行ったため、1つの内閣でそこまでやっていいのかという懸念が生まれ、積極的な評価が2割にとどまる結果になったのではないか」と指摘しています。
憲法改正への関心 憲法9条の評価 解釈変更は適切か
このほかの質問と結果です。
憲法改正の議論にどの程度関心を持っているか聞きました。「非常に関心がある」が21%、「ある程度関心がある」が49%、「あまり関心がない」が23%、「まったく関心がない」が6%でした。「非常に」と「ある程度」を合わせた「関心がある」と答えた人は70%でした。
戦争を放棄し、戦力を持たないことを決めている憲法9条が戦後果たした役割をどの程度評価するか聞きました。「非常に評価する」が34%、「ある程度評価する」が45%、「あまり評価しない」が11%、「まったく評価しない」が3%でした。「非常に」と「ある程度」を合わせた「評価する」と答えた人は79%でした。
集団的自衛権の行使を憲法の改正ではなく憲法解釈の変更という方法で容認したことが適切だったと思うか聞きました。「適切だった」が15%、「適切ではなかった」が33%、「どちらともいえない」が44%でした。
憲法改正の議論にどの程度関心を持っているか聞きました。「非常に関心がある」が21%、「ある程度関心がある」が49%、「あまり関心がない」が23%、「まったく関心がない」が6%でした。「非常に」と「ある程度」を合わせた「関心がある」と答えた人は70%でした。
戦争を放棄し、戦力を持たないことを決めている憲法9条が戦後果たした役割をどの程度評価するか聞きました。「非常に評価する」が34%、「ある程度評価する」が45%、「あまり評価しない」が11%、「まったく評価しない」が3%でした。「非常に」と「ある程度」を合わせた「評価する」と答えた人は79%でした。
集団的自衛権の行使を憲法の改正ではなく憲法解釈の変更という方法で容認したことが適切だったと思うか聞きました。「適切だった」が15%、「適切ではなかった」が33%、「どちらともいえない」が44%でした。