<なでしこ>川村代表入り「成長して戻る」
サッカー女子、ベガルタ仙台レディース(仙台L)の川村優理選手(25)が1日、女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会に向けた日本代表「なでしこジャパン」の一員に選ばれた。東北で活動するクラブの所属選手がW杯代表になるのは男女を通じ初めて。川村選手は「勇気と感動を届けたい」と被災地を沸かせる決意を胸に世界一を目指す。
昨季仙台Lに加入したことが転機になった。「川村が中心」。仙台L・千葉泰伸監督は全幅の信頼を置く。屈強な体格、勝負どころでの判断力、周囲を発奮させる統率力があるからだ。中盤の要として君臨する姿には風格が漂う。今季は全5試合で4ゴールを決めるなど充実している。
「仙台で成長できた。チームのために何ができるか考え、責任感を持てるようになった」と川村選手。昨年5月にアジア杯代表に選ばれると、主力DFとして初優勝に貢献。以後、代表に定着するようになった。
故郷の新潟市では「天才少女」と呼ばれていた。中学時代から日本女子サッカーリーグ(現なでしこリーグ)のアルビレックス新潟レディース(新潟L)で20歳前後の選手に交じり活躍。当時の監督で京都文教大職員の牛浜真さん(48)は「当時から抜群の判断力、物おじしない性格だった。いずれ世界で戦う選手になると思った」と述懐する。
年代別代表でも経験を積んだが、2011年、なでしこジャパンが初優勝したW杯ドイツ大会のメンバーになれなかった。「W杯は自分には関係ないと思っていた。でも、もっと成長したかった」と12年限りで新潟を離れた。13年に在籍したなでしこリーグの千葉で、今度は控えに甘んじる苦節の時を過ごした。
13年オフに「中心選手になって活躍してほしい」という千葉監督の熱烈なオファーを受けて仙台入りし、今に至る。千葉監督は「W杯の経験という財産を仙台に持ち帰ってほしい」と期待する。川村選手も「一回りも二回りも成長して仙台に戻りたい」と力を込めた。
2015年05月02日土曜日