「ASIOS」―超常現象を懐疑的に調査する会―のメンバーによるブログ。

2014年03月05日

斎藤守弘さんのお話

 本城です。
 先日、作家で超常現象研究家の斎藤守弘さんにお目にかかり、お話を伺う機会を得ました。斎藤さんは主に60年代〜80年代にかけて、書籍、雑誌、テレビなどで活躍された方で、往年のオカルトファンにとっては、影響を受けた方の一人ではないかと思います。

 ASIOSでも『謎解き超常現象V』において、UMAの「スクリューのガー助」(別名ハーキンマー)を取り上げた際に、斎藤さんのお話も登場しています。今回は、そのガー助についてのお話も伺えましたので、他の貴重なお話も加えて、以下で紹介したいと思います。


【「スクリューのガー助」について】
 ガー助とは、アメリカのモンタナ州フラットヘッド湖に生息するといわれるUMA(未確認動物)です。日本では比較的鮮明な写真と共に、1960年代から紹介されてきました。

 その正体については、チョウザメの誤認の可能性が指摘されており、写真についても合成の可能性が高いと考えられています。ところが日本で知られている「スクリュー(尾)のガー助」という名前は、いつ、誰が言い出したのか、ということは長らく謎でした。

 それを山本弘さんが調査され、どうやら斎藤守弘さんが最初に言い出したらしいということは、『謎解き超常現象V』でも書かれたとおりです。

 今回はそこからさらに踏み込みまして、直接、ご本人にお話を伺えました。斎藤さんによりますと、「スクリュー尾のガー助」という名前は、元々アメリカの大衆雑誌に書いてあった話をもとに、やはり斎藤さんが考案した名前だったそうです。

 きっかけは神田の古書店。ここでアメリカの雑誌を買ったところ、その巻頭の投稿コーナーにUMAの話が載っていたといいます。そこには「スクリュー・テイル・○○○」という名前と共に「ガー」と鳴くと書かれており、そこから日本風に「スクリュー尾のガー助」と名付けたのだそうです。

 ちなみに「ハーキンマー」もその雑誌に載っていた名前だそうで、「スクリュー・テイル・○○○」のニックネームみたいな感じで紹介されていたといいます。(ネッシーみたいなノリで)

 また投稿文には、「この話がウソだと思うなら実際に見に来い」みたいなことが書かれていたため、それなら本当かなと思って日本で紹介したとのことです。なお合成写真は、別のところから当時の編集部が見つけてきて勝手に載せたのだとおっしゃっていました。


【うつろ舟=UFO説】
 うつろ舟とは江戸時代に存在したとされる円盤型UFOで、奇妙な絵と共に、UFOファンにとってはお馴染みのUFOです。

 ところがこれも、日本から発信された話だということはわかりますが、UFOと結びつけて最初に言い出したのは誰なのか、という点は気になるところです。そして、これもまた斎藤さんが言い出した話ではないか、ということは文献研究などから指摘されていました。

 そこで、このうつろ舟についてもお話を伺ったところ、やはり斎藤さんが最初に言い出したお話だったそうです。元ネタは『日本随筆全集』だといいます。

 1960年代当時、UFOが地球に来ているなら昔にも来ているはずだと考えて『日本随筆全集』を読んだところ、円盤型のうつろ舟のイラストを見つけて、これこそ江戸時代に地球を訪れていたタイムマシン型UFOだと考えついたのだそうです。

 これが現在まで続く、うつろ舟=UFO説の出発点だったわけですね。


【江戸時代の肉人=宇宙人説】
 最後は肉人伝説です。肉人とは、江戸時代初期、駿府城にて徳川家康が遭遇したという謎の生きものです。これは出典をたどっていくと話が少し変わっていくのですが、古文献では肉人を宇宙人とは結びつけていません。

 では誰が最初に言い出したのか、といいますと、これも斎藤さんなのだそうです。元ネタは『日本随筆全集』。この説の初出は『宇宙機』(No.13, 1957年7月20号)で、河津薫というペンネームで書かれています。


 以上、今後、これらの説を研究される方々にも参考にしていただければ幸いです。
posted by ASIOS at 11:26| Comment(4) | TrackBack(0) | 超常現象の研究者紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
記事とは関係のない情報ですみません。

今日(3月13日)夜10時から、NHKの「地球イチバン」という番組で、UFOネタがあるようです。

「地球イチバン 世界一UFOに近い街〜アルゼンチン・カピージャデルモンテ〜」
http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=200&date=2014-03-13&ch=21&eid=23343&f=1766
「1月某日、夜空を撮影し続けたフィルムに謎の光る飛行物体が映っていた。専門家によれば、光の色や高度から、人工衛星や飛行機の可能性は低いという。この街では、住民の8割がUFO、飛行する光を目撃しており、未知の体験を求めて移住してくる人も多い。なぜここの人々はこれほどUFOを見ているのか、そこに何を感じているのか、そしてわれわれが撮影した光は何であるのか、謎に迫る旅。」

もう一件、1月にBSプレミアムで放送された阿部寛出演の超常現象ドキュメンタリーが、3月22日、地上波でNHKスペシャルとして放送されるようです。

「超常現象 科学者たちの挑戦」
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0322/index.html
「心霊現象、生まれ変わり、テレパシー・・・。時に世間を騒がす、いわゆる“超常現象”の正体は何なのか?いま、この命題に最新科学で挑もうという世界的な潮流が巻き起こっている。ムーブメントの背景には、近年の目覚ましい科学の進歩がある。技術の粋を極めた観測装置でデータを集積し、脳科学や物理学、統計学などの最新理論で解析すれば、カラクリを白日の下にさらすことができる。その過程は、まるで手品のトリックが明かされるような、スリルに満ちた知的発見の連続だ。
一方、「生まれ変わり」や「テレパシー」の中には、最先端の科学をもってしても、いまだメカニズムが解明できない謎も残る。科学者たちはその難題にも果敢に挑み、最先端の「量子論」を駆使するなどして、合理的な説明を目指している。先端を極める科学者たちは、「説明不能な超常現象」に新たな科学の発展を予感しているのだ。“超常現象”への挑戦を見つめ、科学の本質に迫る知的エンターテイメント。」
Posted by 西中島 at 2014年03月13日 19:20
>西中島さん

ご紹介ありがとうございます。「地球イチバン」の方は見逃してしまったのですが、以前に別の短い番組で取り上げられていた際に少し見たことがありました。

「超常現象 科学者たちの挑戦」の方は1月に紹介した番組ですね。今回は総合テレビで1時間に短縮しての放送のようですが、録画はしておきたいと思います。
Posted by 本城 at 2014年03月15日 13:24
「地球イチバン」のほうは、紀行番組という趣旨からすると当然といえば当然ですが、あまり批判精神や懐疑主義的な要素のない番組でした。

ところどころでナレーターのYouとの会話という形で番組ディレクターのコメントが挿入されるのですが、ディレクターが、UFO(の目撃談)を当たり前のように受け容れるのは一種の社会の成熟の現れ、今の日本にはそれがないかも、みたいなまとめ方をしていのがやや引っかかりました。
Posted by 西中島 at 2014年03月19日 01:40
ご紹介ありがとうございます。内容を伺うとぜひ視聴しておきたかったですが、再放送があるかもしれませんので、そちらに期待します。
Posted by 本城 at 2014年03月19日 19:03
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