京都・四条通:「まいった」予想外れ大渋滞 「GWは…」
毎日新聞 2015年05月01日 13時18分(最終更新 05月01日 16時51分)
◇花見シーズンで混乱 京都府警や京都市 対策に躍起
京都市中心部の四条通で3月中旬から4月上旬にかけ、交通渋滞が深刻化した。歩道拡幅のため、昨秋から車線を減らす工事を進めている影響に加え、花見シーズンの観光客が予想以上に増加したのが原因で、市民や観光客から苦情が一時殺到した。ゴールデンウイーク(GW)の本格化に合わせ、市はバス停を移動し、京都府警は違法駐停車の取り締まりを強化するなど、対策に躍起になっている。
四条通の歩道拡幅は、従来の自動車優先の道路整備を見直そうとする一つの“挑戦”。周辺の混雑を緩和して観光客や買い物客の利便性を高め、中心地の活性化につなげる狙いがある。市は昨年11月、総工費約29億円をかけて四条通の約1.1キロ(川端通−烏丸通)の車道を片側2車線から1車線を減らす工事を進めている。
車線減少を前に、市は渋滞がどの程度になるかを推計。1.1キロ区間の一般車の通過時間は約30秒遅くなり、バスは約1分速くなると試算し、「車の通行に大きな影響はない」と結論付けた。
しかし、円安や訪日ビザ緩和による外国人観光客の増加などで、花見シーズンに渋滞が悪化した。市の調査ではピークの4月5日午後4時で、一部工事区間を含む四条通(祇園−河原町)の所要時間は昨年よりも37分遅い48分かかった。寄せられた苦情は、3月末までで約50件。「バスから電車に乗り継げなかった」「工事をする必要があるのか」などの声があった。
市交通局は「渋滞が一時ひどかったのは事実だが、車線減少の影響だけでなく、観光客の予想以上の増加も原因」と分析している。市の調査によると、通過する一般車両の半数は他府県ナンバーの車だったという。
市は当面の渋滞抑制策としてGW機関中の今月2〜6日、四条通のバス停を河原町通に臨時に移動。観光客のバスの乗降をスムーズに誘導するため派遣している職員を増員する。京都府警も四条通のタクシーなどの駐停車違反の取り締まりを強化する。
市は既に自動車用のカーナビ地図を製作する業者に対し、四条通に車が流れないように、主要ルートから四条通を除外するよう要請。今秋以降のカーナビ地図に反映される見通し。歩道拡幅を進める市歩くまち京都推進室は「観光客が増えることは大変ありがたいが、GWに他府県から訪れる場合は、四条通を車で通行することは避けてほしい」と呼びかけている。【松井豊、花澤葵】