米州会議:米キューバ首脳が握手…断絶後初の会談へ
毎日新聞 2015年04月11日 11時00分(最終更新 04月11日 16時53分)
【パナマ市・朴鐘珠、ワシントン和田浩明】オバマ米大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長は10日夜、中米パナマの首都パナマ市で第7回米州首脳会議の開幕式典に出席した。両国のトップが会議で同席するのは初めて。昨年12月に打ち出した国交正常化の一環で、米ホワイトハウスは両氏が会場で握手を交わしたと明らかにした。また、ローズ米大統領副補佐官は同日、両首脳が11日に非公式会談すると明らかにした。1961年から半世紀を超える断絶を経た米国とキューバが、徐々に接近している。
オバマ大統領とカストロ議長は2013年に南アフリカのマンデラ元大統領の追悼式に出席した際に握手。これまで電話協議したことはあるが、直接会談は初めてとなる。ローズ副補佐官によると2人は8日、電話で国交正常化や協力分野、対立分野について話し合った。11日の会談でも、こうした問題が議題になるとみられる。
首脳会談に先立ち、ケリー米国務長官とロドリゲス・キューバ外相が9日に行った会談についてローズ氏は、国交正常化に伴う両国大使館の再開が主要な議題になったと説明した。キューバ側によると、この会談は2時間以上続いた。キューバが求める米国によるテロ支援国家指定の解除については「大統領が最終決断するとの手続きはキューバ側も理解している」と述べ、大きな議論にはならなかった模様だ。オバマ氏の指示による指定の見直しは国務省がすでに完了し、ホワイトハウス側が精査中だ。
オバマ大統領は10日、パナマ市で中米諸国首脳と会談。中南米諸国の企業リーダーとも会談し、職業訓練やインフラ投資の重要性を強調した。キューバやベネズエラなど反米左翼諸国の代表を含む市民団体の関係者との会合では、人道・民主化の支援を米国として継続する意向を表明した。
米州首脳会議は米国やカナダ、中南米35カ国が参加。開幕式典では冒頭、バチカン(ローマ法王庁)のフランシスコ法王の祝辞を同庁のパロリン国務長官(首相)が代読した。バチカンは米国とキューバを仲介した功労者。