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「出世に一番必要な能力」とは? 実力があっても昇進できない人へのキャリアアドバイス

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「出世に一番必要な能力」とは? 実力があっても昇進できない人へのキャリアアドバイス
リーダーシップ専門家のSusan Colantuono(スーザン・コラントゥオーノ)氏が、昇進に必要な3つの能力について解説します。実はほとんどの人に正しいキャリアアドバイスがなされていないと語る同氏が、今後のキャリアに悩む人々に向けてメッセージを送る。(TEDxBeaconStreetより)

【スピーカー】
リーダーシップ専門家 

【動画もぜひご覧ください!】
The career advice you probably didn’t get

リーダーシップを持っているのに、女性がトップに立てないのはなぜ?

スーザン・コラントゥオーノ氏:中間管理職とプロフェショナルな地位の50パーセントは、女性で占められています。ところが、組織のトップの地位に就いている女性は、この数字の3分の1にも満たないのです。そこで統計上、女性のリーダーがほとんどいないのはなぜか? という問いかけをする人がいるでしょう。

一方、この統計を見たとき私のように「リーダーシップはすべての役職において、その力量が証明されるものだ」と考えている人は、中間管理職に就いている女性たちは、すばらしいリーダーのリソースであると思われるでしょう。そうすると、また違った疑問が出てきます。

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なぜ、多くの女性が中間で埋もれているのでしょう? その女性たちがトップに登るためには、何をしたらよいのでしょうか?

この会場にも中間管理職に就いていて、もっと上のポジションに上がる方法を模索していらっしゃる方がいらっしゃるのではないでしょうか?

女性がキャリアで成功するために必要なもの

トニヤはこのような女性の良い例です。彼女とは2年前に出会いました。その時彼女は、フォーチュン50の会社のVPでした。トニヤは強いフラストレーションを持っていて、このように語ってくれました。

「私は懸命に働いて、より自信をつけて要求を正当に表現する能力を磨いてきましたし、すばらしい自分というブランドも作り上げました。上司の評価もかなり良かったし、360度評価の結果では、私のチームは私の下で働くことを愛しているそうです」

「マネージメントに関するすべてのコースを履修していますし、すばらしいメンターとともに働いています。それにもかかわらず、昇進のチャンスを2回も逃しています。上司は私が昇進したり、海外での仕事を受ける心構えができていることを承知しているのに。なぜ昇進できないのかわかりません」

トニヤが気づいていなかったのは、女性がキャリアで成功するために欠けている「33パーセント」です。そして、この「33パーセント」の不足を理解することが、トップレベルでのジェンダーギャップを埋めるのに必要なことです。

出世にもっとも必要な能力とは「ビジネス戦略、財務における見識」

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組織の中で昇進していくためには、リーダーシップスキルを認知されなければなりません。それは女性でも男性でも必要なことです。リーダーシップとは、周りの人の力を結集して、リーダーの卓越した力で非凡な結果を出し、それを継続することです。

言葉を変えて言えば、あなたのスキルや才能、能力を使い、組織が戦略上の財務目標を達成するのを補助することです。そしてそのために、組織内外の人の力を有効活用できるということです。

リーダーシップの3つの要素「自分の力」「他者の力」「結果を出して、それを継続すること」は重要ですが、組織の中で昇進する場合には、3つの要素すべてが同等に重要であるわけではありません。私の話を聞きながら、グリーンの部分(結果を出し、それを継続すること)に注目してください。

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組織のトップになるであろう資質のある従業員を探すとき、グリーンのボックスに関連したスキルや能力は、他の2つのリーダーシップの要素に比べて2倍の重きを置かれます。これらのスキルと能力を要約すると、ビジネスや戦略、財務の見識です。

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他の言葉に置き換えると、組織が立てたビジネスの方向性、戦略、財務上の目標を理解し、組織を前進させるための自分の役割をわかっていることです。これが女性がキャリアで成功するのに不足している33パーセントです。

能力が不足しているからではなく、女性には、この33パーセントの不足に対するアドバイスがなされていないからです。

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ビジネスへの理解は前提条件であり、その他は+αの要素

それがどういうことか、例を挙げて説明します。

5年前、上級管理職に就いていつ人たちの討論会の司会を依頼されました。その晩のトピックは「将来有望な従業員に求めるものは?」でした。それでは、先ほどまとめた、リーダーシップの3つの要素を念頭に、討論会の出席者の答えを考えてみましょう。

「頭が良くて勤勉。物事をやり遂げる心構えがあって、信用のおける、そして打たれ強い人物を探しています」

リーダーシップの3要素にあてはめると、どれでしょう? 「本人の持つ力」ですね。また、彼らは次のように続けました。

「お客さんに対する対応に長けていて、自分のチームに力を与える人。交渉力があり、対立があったとき、それを上手に管理する人。おしなべて言うと、コミュニケーション力がある人です」

それでは、リーダーシップの3要素では、どれでしょうか? 「周りの人の力を有効活用できる人」ですね。そこで討論が止まりましたので、私が質問しました。

「皆さんの会社のビジネスをよく理解している人はどうですか? その方向性がわかっていて、自分はその目標へと導く役割があると自覚している人のことです」

「また外部環境に洞察力があり、リスクとチャンスを見極められ、戦略を構築できる、または戦略に即したレコメンデーションができる人は? 財務状況を読んで、適切な対応ができる、または適切なレコメンデーションができる人はどうでしょう」

すると、討論の参加者は言いました。

「それは有望な人物の候補としては、前提条件なのですよ」

そこで、女性150人のオーディエンスに尋ねました。

「『昇進するための必要条件は、ビジネス・戦略と財務に鋭い洞察力がある人で、その他の重要な条件は、他の候補者から頭ひとつ出て差別化するための要件だ』というアドバスを受けたことがある人は、この中に何人いますか?」

3人の女性が手を挙げました。私は過去5年間、同じ質問を世界中でしてきましたが、この割合はまったく変わっていません。これではっきりしましたね。でもどうして割合が変わらなかったのでしょう?

女性が上級管理職になるための、適切なアドバイスがなされてこなかった

女性がキャリアで成功するためのアドバイスに欠けている33パーセントには、本質的に3つの理由があります。

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女性が組織の人的リソースである場合、ありきたりなアドバイスを40年間聞かされてきました。

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ビジネス、戦略や財務の見識に関するアドバイスが不在でした。キャリアアドバイスが強調してきたのは、本人が自分ですべきことでした。例えばもっと主張すべきだとか、自信を持って、自分をブランドとして作り上げることなど、それはトニヤが懸命にしてきたことです。

それから周りの人と上手に働く方法、それは自分の売り込み方、メンターを得ること、ネットワークを広げることなど。基本的には、ビジネスや戦略、財務への見識の大切さは語られませんでした。

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これらのアドバイスが重要でないといっているのではありません。これらのアドバイスはキャリアの初期から中間管理職までであれば、必須条件でしょう。しかし、中間管理職から上級管理職を目指している人たちへのアドバイスではありません。

これが従来のキャリアアドバイスでは、トップレベルでのジェンダーギャップが40年間も埋められなかった理由です。また、今後も埋められることはないでしょう。

優秀なメンターも、男女で異なる教育をしていることに気づいていない

2番目の理由は、トニヤがコメントしていた「最高の人事評価や自分のチームからのすばらしいフィードバック、あらゆるマネージメントトレーニングの受講」などと関連しています。組織の人材育成と業績管理システム経由で、ビジネスや戦略、財務に関する洞察力がどれほど大切かというメッセージを受け取っだだろうと思われがちです。

ところがここでも、グリーンの枠の中にある要素はとても小さく、重要さを強調されていないのです。平均してみると、組織の人材育成と業績管理システムは、ビジネス戦略や財務への洞察力よりも、他の2つのリーダーシップ要素に焦点を当てています。

そのため、典型的な人材育成や業績管理システムは、トップレベルでのジェンダーギャップを埋めることができず、今後も無理でしょう。

トニヤはメンターについても話していましたが、これはとても重要なことです。なぜなら、組織の才能や業績に関するシステムが、ビジネス戦略や財務に対する洞察力の重要性に関して、一般的な情報を提供していなかったとしたら、どうして男性はトップに登ることができるのでしょうか?

ひとつには、就いたポジションが自ら導いたという場合もあるでしょうが、非公式の後押しがあるのです。女性はメンター制度について、どのような経験をしているでしょうか?

次のコメントは最近一緒に仕事をしたあるエグゼクティブのもので、これが女性が経験するメンターとの経験を典型的に物語っています。彼は昨年2人の弟子を得たことを、大変誇りに思っていました。彼の弟子のひとりは男性、もうひとりは女性でした。

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彼は言いました。

「女性には自信を築く手助けをして、男性にはビジネスを学ぶ手助けをしました。そして、自分がふたりに対して別々な扱いをしていることに気づいていませんでした」

彼はこのことを正直に語ってくれました。上司が女性であれ、男性であれ、キャリアとリーダーシップに関しては、部下の女性と男性に対してある思考傾向があること。そしてこうした表に出ない思考傾向があるために、トップレベルでのジェンダーギャップが埋まることはないでしょう。

中間管理職についていなくても工夫すべき

それでは、33パーセントの不足分に対して、どのようなアクションを起こすべきでしょうか?

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女性にとって答えは明白です。ビジネスとその方向性を理解し、組織が目指している目標へ導くのが自分の役割だということを解らせるスキルを、磨くことに集中していかなければなりません。それによって、中間管理職からトップレベルのリーダーへと飛躍することができるのです。

中間管理職に就いていなければ、それができないということでもありません。

バイオテクノロジーの会社に勤めるある若いサイエンティストは、彼女が担当しているプロジェクト進捗状況を発表する際に、それが財務上にもたらすであろう影響に関するデータを織り込むことで、33パーセントの不足分を補いました。その結果出席していたマネージャーたちから、すばらしいフィードバックを勝ち取りました。

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全責任を女性に負わせたいとは思わないでしょう。また、それは賢いことではありません。

上級職への女性候補者がいない会社は危険?

会社が戦略的財務目標を達成しようとしたら、上級管理者は全社員が同じ方向に向かって力を傾けていることを理解しなければなりません。ビジネス用語を使って言い換えると「私たちは、戦略的協力体制を持たなければいけない」をいうことになります。

上級管理者はそれを良く理解していますが、最近の会議報告書によると、わずか37パーセントの会社しか、自社に戦略的協力体制があると考えていません。ということは63パーセントの組織が、戦略的財務目標を達成できるかは疑問です。

もし私が話してきた状況におられると思ったら、少なくとも50パーセントの中間管理職に就いているひとに、ビジネスの方向性に焦点を当て、自分たちにはその目標を達成する役割がある、という明確なメッセージが届いていないことになります。

上級管理者が自社に戦略的協力体制があると考えている割合が低いのは驚くほどのことではありません。裏を返せば、その役割を担当するという仕事があるわけです。

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取締役は年に1回の後継者選択会議で、女性の候補者が適切な割合でリストにあることが重要です。なぜでしょう? それは戦略的協力体制があるべき形ではないという、警鐘だからです。この割合はCEOにとっても重要です。もし「彼女は、ビジネス経験が充分ではないから」というコメントを耳にしたら、こう質問してください。

「それでは、どうすればいいですか?」

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人事の上級管理者は、33パーセントの不足分について適切に理解されているかの確認をするのが重要です。管理職に就いている男性も女性も、男女差に対する思考傾向を見直すことと、全員にとって、キャリアと成功のための公平な場所があるかを再確認することが大切です。

組織はキャリアを築く手助けを

最後に、トニヤの後日談をお話ししましょう。2か月前、トニヤから新しいポジションの面接を受けたというメールを受け取りました。その面接では、彼女がどれほどビジネスに精通しているか、また業界に対する洞察力があるのか、探りを入れられたそうです。そして彼女はCTO直属のポジションに就いたことを、大喜びで報告してくれました。

皆さんにとって33パーセントの不足分は、これからアクションを起こすためのアイデアになるでしょう。この考えが広まり、組織が、女性が効率的にキャリアを築く手助けをして、トップレベルでのジェンダーギャップを埋める努力をしていくことを願っています。ありがとうございます。

※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。

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