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愛知のソウルフード!日本に2つしかない八丁味噌蔵の、幸せになれる見学体験

愛知~名古屋のソウルフードといえば、味噌カツ、味噌煮込みうどん、味噌おでんなど、どれも「味噌」が有名です。味噌は味噌でも「八丁味噌」という特別なお味噌。これは愛知県の岡崎市で作られているそうです。ほそいあやさんが早速工場に見学レポに行ってくれましたよ。岡崎の非公式キャラクター「オカザえもん」も記事のどこかに登場してますので、ご注目ください。(岡崎のグルメ和食

愛知のソウルフード!日本に2つしかない八丁味噌蔵の、幸せになれる見学体験

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こんにちは! ほそいあやです。

みなさんは八丁味噌を食べたことはありますか。

名古屋の味噌料理にはかかせないアレです。

めちゃくちゃ固くて味の濃い元の味噌は、一体どのようにつくられているのでしょう。

味噌の聖地、愛知県にある2つの味噌蔵を見学してきましたよ。

 

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八丁味噌をつくっている会社は、日本で2つしかありません。

その工場(蔵)は、2つとも愛知県岡崎市にあります。

まるや」と「カクキュー」という会社で、道路をはさんで隣同士なのです。

 

八丁味噌の由来は、岡崎城から西に八丁(約870メートル)の距離でつくられているからだそうです。2つの蔵が隣接している理由もそこにあるのですね。

 

まるや八丁味噌

 

まずは、「まるや八丁味噌」の蔵から見学してみましょう。

なんと創業は1337年(延元2年)!

 

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まるやの見学はアットホームな感じで、ガイドさんが細かく説明をしてくれます。

このエリアでは機械で業務用サイズの赤だしの詰め作業をしていました。

 

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ものすごい味噌の香り。この時点でむしょうに味噌が食べたくなります。写真だと土にしか見えないけど。

 

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八丁味噌と、赤だし味噌の違いは、

八丁味噌:大豆オンリーの豆味噌
赤だし:八丁味噌に、白みそ(米みそ)を混ぜたもの

赤だしは混合味噌だったんですね。

 

そして一番のみどころ、味噌樽ルームにきました。

 

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巨大な樽の森!

6トンの味噌に、3トンの石が豪快かつ繊細に積まれています。

この状態でかき混ぜず、二夏二冬(2年以上)熟成させます。

一般的な米味噌の熟成期間は数ヶ月なので、味噌としてはかなり長いです。ウイスキーか。

出来上がった味噌は水分が抜け、人が上に立っても沈まない固さになります。

6トンという量は味噌汁に換算すると30万杯分。これは4人家族が朝晩のむと100年分という計算。

 

この石積みは職人技で、石積み職人として一人前になるまでに数年かかるそうです。
3トンもの石をきれいな円すい型に積み上げて安定させるなんてまさに職人技だ。

 

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味噌樽の箍(たが)は、鉄製と竹製があります。この樽は両方ついていますね。

この「箍」についてこぼれ話を教えていただきました。

 

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2006年のNHKの朝ドラ「純情きらり」では、宮崎あおい演じるヒロインの婚約者の家業が八丁味噌蔵という設定だったため、「まるや」と「カクキュー」が撮影舞台となりました。

 

ドラマの設定時代(昭和初期)には金属の箍は使われていないので、映るとまずいのですが、どうしても映ってしまいます。

 

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そこでNHK美術さんが作ったのが、金属の箍を隠すための「竹の箍カバー」。

一見、竹に見えますが……

 

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ウレタン素材で出来ている! 教えてもらうまでまったく気づかなかった。

おそるべし、NHK美術さん……。

 

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外には出番待ちの樽が寝ていました。住めそう。

完全に洗い流すと樽が長持ちしないので、味噌を微妙に残しておくそうです。

スズメがおいしそうに食べていたので、私も食べそうになりました。

 

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底には作った年と、「桶師」の名前が。

味噌づくりというものは、石積み職人や桶師など、色んな特殊技能をもった職人さんの支えによって成り立っているんですね。

 

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工程図がとてもかわいい。大豆がいちいち怒った顔をしているし。

これの下敷きを作ってほしい。

 

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一通り見学が終わり、あー味噌食べたいと思う頃にこの試食。味噌田楽だー。

茹でたてあつあつコンニャクが八丁味噌の濃厚さと絡み合う。蔵見学のあとの味噌の味は格別だ。

 

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1000円以上買い物をしたら貰えたストラップ。あの巨大な樽が味噌汁一杯も作れないくらいちっこくなってて笑いました。

 

見学は無料。やけに充実感がありました。 

そうなるとお隣のほうも気になってしまうのが人情。

 

カクキュー

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お隣のカクキューに来ました。

こちらも随時見学ツアーを受け付けていて、同じく無料。

 

創業は1645年。まるやより約300年歴史が浅いですが、敷地面積がかなり広いです。

 

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かっこいい建物の中を進みます。見学はまるやと比べるとシステマチックですが、広いので散策感があります。

 

ガイドのお姉さんが「八丁味噌の八丁はどういう意味でしょう」「八丁味噌と赤だしの違いは?」などとクイズを出してきますが、全部答えられます(さっきまるやで聞いたから)。

 

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樽ルームは、大木が林立している森のような雰囲気。

お寺でもないのに厳かな空気を感じます。

 

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あとで友達から送られてきた写真が無駄にアーティスティックで何ていっていいかわからなかったです。

 

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袋詰めを一個一個手作業で行っているシーンも凝視できます。

 

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最後に、八丁味噌と赤だしの味噌汁を試飲して終了。

両方おいしかったけど、八丁味噌のほうが強い大豆のコクとアミノ酸の旨みを感じました。

 

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そうそう、味噌ソフトは食べておかねば。

想像と違って後味がさっぱりしていました。

バニラアイスにお醤油を少したらすと甘味が増すあの感じに似ている。

みたらし団子の味にちかいかも。

 

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カクキューのおみやげコーナーは広く、ほぼ全部試食できるので楽しいです。

味噌のお菓子やドレッシング、味噌パウダーなど色々あるけど、おみやげはやっぱり王道の八丁味噌かな!

 

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ちなみに、両方とも見学のおみやげに赤だし味噌がもらえます。

赤だしは八丁味噌より柔らかいので、味噌汁を作る時に溶きやすいのがよいところ。

八丁味噌はこし器とすりこぎが必須。慣れないうちは、八丁味噌に手持ちの米味噌を混ぜ、オリジナル赤だしを作って溶かすとよいそうです。

 

以上、2つの味噌蔵見学でした。

八丁味噌は全国のスーパー等に広く流通していますが、製造元は必ず「まるや」か「カクキュー」となっているはずなので、見かけたらチェックしてみてください。

 

まるやのガイドさんに「カクキューとは仲いいんですか」ときくと「仲いいですよ!」とのことです。仲いいんだ。

 

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カクキューの自販機コーナーが味噌色に染まっていて、徹底してるな〜なんて感心していたのですが・・・

 

この味噌色現象、蔵の敷地内だけではなかったのです・・・!

 

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蔵の近くのローソンが味噌色!

写真だとわかりにくいですが、テーマカラーの水色も濃い青になっている。

 

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歩道橋も味噌色!!

 

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隣の民家も味噌色!!

 

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今夜の食卓も味噌色!! というか味噌!

 

ガイドさんにすすめられた焼き味噌を作りました。

八丁味噌は粘度のように手で丸められるので、薬味と一緒に丸めて焼きます。

日本酒のアテにぴったりです。

左は八丁味噌とマヨネーズを混ぜて牛乳でのばしたもの。野菜スティックにつけると止まりません。

 

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あまった焼き味噌は味噌汁にできるので合理的。

いつも白みそを使っているので、たまに赤いのを飲むと濃厚さが体に染み渡る感じがします。

 

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おみやげにあげた家から里芋の写真が送られてきて、何故かうわーやられたーと思いました。味噌は人を幸せにします。

 

以上、八丁味噌蔵レポートでした!

 

www.8miso.co.jp

 

www.kakukyu.jp

 

プロフィール

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ほそいあや
「猫を愛でることと虫を食べることが趣味」
ブログ:http://seiten4go.com/
Twitter:https://twitter.com/hosoi/

               
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