ひとりでは何もできない。人間が手をさしのべて、初めて機能するちょっと情けない「弱いロボット」は、役には立たないけれど、わたしたちにさまざまなことを教えてくれる。
周りの人にゴミを拾って貰うロボット、行き先を案内してくれないカーナビ、言葉が通じているのかわからないスライムみたいな人形……。岡田美智男がつくるロボットは、ひとりでは何もできない。役に立たない。人間が手をさしのべて、初めて機能する「弱いロボット」だ。
ロボットというととかく、人間の役に立つことばかりが期待されるが、ロボットとの会話やふるまいを通して人間のコミュニケーションの本質を浮かび上がらせたり、コミュニケーションの触媒になる機能を岡田のロボットは果たす。
「む〜」という雑談ができる(けれど何を言っているのかよくわからない)ロボットは、会話が成立していないにもかかわらず、場にどっと笑いがおとずれたり、人と話している以上に心を開いてしまう。そこには、どんなわたしたちの心理の動きがあるのだろうか。
例えばゴミ箱ロボットは、ゴミを拾うスキルではなく、周囲の人に拾ってもらうソーシャルスキルを持たせることのよって、人がコミュニティとの距離感をどうとっているかといったことから、ロボットと人との関係性を観察することもできる。
どんな問いから、「弱いロボット」は生まれてきたのか。「役に立たない」ことが、わたしたちにどんな視座を与えてくれるのか。実際に、豊橋技術大学の研究室から連れてきたロボットたちと触れ合ってみながら、弱いロボットが生み出し、引き出す力を体験してみよう。
弱いロボットのつくりかた:「役に立たない」は素晴らしい
- 日時
- 5月16日(土)14:00〜16:30
14:00 レクチャー
15:00 質疑応答
15:30 懇親会&ロボット体験 - 場所
- 東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア10F
- 定員
- 50名
- 参加費
- 2,000円(飲み物付き)