二階堂友紀、高浜行人
2015年5月1日09時23分
同性愛や性同一性障害など幅広い性的少数者の児童生徒に配慮を求める初めての通知を、文部科学省が30日、全国の国公私立の小中高校などに出した。教員が「良き理解者」となり、いじめを許さない「人権教育」を進めるよう求めたが、学校では教員の啓発が課題となっている。
「『オカマ』は気持ち悪い」。関東地方の公立小学校に勤める40代の教諭は、職員室でそんな差別発言を聞いた。状況を変えたいと、研修を提案した。しかし、校長は「うちの学校には(性的少数者の子は)いないから必要ない」と認めなかった。この教諭は「特に中高年のベテラン教諭に、無知からくる偏見が根強い」と言う。
民間団体が2014年に発表したインターネット調査では、性的少数者約600人のうち7割が学校時代にいじめられ、3割が自殺を考えていた。自殺未遂のリスクが、異性愛者の6倍に達するという研究結果もある。文科省が今回の通知を出した背景には、学校現場が対応できていない現状がある。
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