NPT会議:「オーストリアの誓約」80カ国が支持
毎日新聞 2015年04月30日 11時52分(最終更新 04月30日 12時15分)
【ニューヨーク草野和彦】国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、オーストリアのクメント軍縮大使は29日、一般討論で演説し、核兵器廃絶に向けた法的枠組みの強化を求める同国の文書「オーストリアの誓約」を約80カ国が支持していることを明らかにした。日本は含まれていない。
文書はNPT加盟国に対し、「核兵器の禁止や廃絶に向けた(現行法との)法的な隔たりを埋める効果的な措置を確認し、追求することを求める」と主張。「核廃絶」の目的のために「オーストリア政府は全ての当事者と協力することを誓約する」という内容だ。
オーストリアは昨年12月、「核兵器の非人道性に関する国際会議」を開催しており、核軍縮の人道的アプローチを主導する国の一つ。大使は演説後、毎日新聞に対し「核廃絶にはNPTだけでは不十分で、追加の法律が必要なことは皆が分かっている。だが、それが真剣に議論されてきたことはなかった」と述べ、幅広い議論を呼びかけた。
有力な非核保有国グループは、会議の核軍縮委員会の下に補助機関を設置し、新たな法的枠組みの可能性について集中的に議論することを求めている。「誓約」を約80カ国が支持していることは、その後押しになりそうだ。