安倍首相:「外交、安保政策はアベノミクスと表裏一体」
毎日新聞 2015年04月30日 11時18分(最終更新 04月30日 11時26分)
【ワシントン高山祐】安倍晋三首相は29日午後(日本時間30日午前)、ワシントン市内で開かれた安全保障関連のシンポジウムで「私の外交、安保政策は(経済政策の)アベノミクスと表裏一体だ」と述べ、経済再生と安保法制整備を同時に進める意義を強調した。そのうえで、米議会上下両院合同会議での演説を踏まえ、政府・与党が進めている安保関連法案の成立について「この夏までに実行する決意だ」と改めて表明した。
首相は「デフレから脱却し経済を成長させれば、社会保障の財政基盤が強くなり、防衛費をしっかり増やしていくことができる。強い経済は安保体制の立て直しに不可欠だ」と説明。「自分の国を自分で守る意図と能力を持たない限り、日米同盟を強くすることはできない。(米国の)リバランス(政策)を補強し、日米が力を合わせることで、アジア太平洋、インド洋にかけての地域の平和と安定を確かなものにしたい」と述べた。
また、海洋進出を強める中国などを念頭に「自衛隊機がスクランブル(緊急発進)を実施する頻度は増える一方だ。海上保安庁も連日連夜、必死に領海を守っている。南シナ海で起きていることは多言を要しない」と指摘した。
シンポジウムは笹川平和財団米国が主催した。