安倍首相演説:「痛切な」と「深い」…英訳で同じ表現

毎日新聞 2015年04月30日 20時26分(最終更新 05月01日 02時54分)

 安倍晋三首相は29日午前(日本時間30日未明)に英語で行った米議会上下両院合同会議の演説で、先の大戦への「痛切な反省」を表明した。英語では「deep remorse」だった。だが、1週間前に日本語で行ったアジア・アフリカ会議(バンドン会議)での「深い反省」も英訳では同じ表現になっていた。

 菅義偉官房長官は30日の記者会見で「同じ趣旨だと思う。1週間で変わるわけではない。常に痛切な反省の上に歩んできていることは日ごろから言っている」と述べ、同じ意味で使っているとの認識を示した。政府関係者によると「訳した人の違いで深い意味はない」という。菅氏はまた「植民地支配と侵略」に触れなかったことについて「犠牲になった方に哀悼の意はしっかり表明している。痛切な反省を胸に歩んできており、自らアジア諸国に苦しみを与えた事実から目を背けてはいけないと明快に申し上げている。その中に全てが含まれている」と説明した。【田中裕之】

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