安倍首相演説:野党反発…安保成立約束「国民・国会無視」

毎日新聞 2015年04月30日 23時09分(最終更新 05月01日 09時48分)

米上下両院合同会議で演説する安倍晋三首相=2015年4月27日、AP
米上下両院合同会議で演説する安倍晋三首相=2015年4月27日、AP

 野党各党は30日、安倍晋三首相が米上下両院合同会議での演説で、安全保障関連法案の成立を「夏までに実現する」などと表明したことに一斉に反発した。歴史認識問題で「植民地支配と侵略」などの文言がなかったことへの批判も出た。

 民主党の岡田克也代表は談話を発表し「法案提出すらされていない段階で、これほどの重要法案の成立時期を外国議会で約束するのは前代未聞。国民無視・国会無視ここに極まれりだ」と批判した。

 岡田氏はまた、首相が日米同盟を「希望の同盟」と表現したことに関し「沖縄の苦難に言及がなく、前のめり・上滑りで、米国に無責任な約束をし過剰な期待を与えたのではないか」と懸念を示した。枝野幸男幹事長も「国会は米議会の下請け機関、翼賛機関ではない。相当厳しく対峙(たいじ)したい」と記者団に述べた。

 共産党の山下芳生書記局長は「日本の独立と主権をないがしろにする究極の対米従属の姿勢だ。断固抗議したい」と党本部で記者団に語った。歴史認識については「村山談話の植民地支配と侵略への反省とおわびが抜けたのはこれまでの政府の立場を後退させ、マイナスだ」と抗議した。

 社民党の吉田忠智党首は「戦争法案が国会に提出されず、国会も延長していないのに夏までの成立を明言したのは国会軽視どころか国会無視、国民無視だ」と厳しく批判、首相の歴史認識についても懸念を示した。

 一方、与党・公明党の山口那津男代表は会合でのあいさつで「痛切な反省との表現を使い、その反省の上に戦後の平和国家としての歩みがあったことをしっかりと述べた」と評価。そのうえで「(歴史認識を)歴代内閣から継承している立場は米議会にも伝わったと思う」と語った。

 安全保障関連法案を夏までに成立させると表明したことについては「強い決意を示した。政府・与党で法案成立に努力する」と語った。【佐藤慶、高本耕太】

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