【DB-RCT】複雑性腹腔内感染症に対するCeftolozane/Tazobactamはメロペネムに臨床的治癒率で非劣性(Clin Infect Dis 2015; 60: 1462)

May 01 [Fri], 2015, 0:15
Ceftolozane/Tazobactam Plus Metronidazole for Complicated Intra-abdominal Infections in an Era of Multidrug Resistance: Results From a Randomized, Double-Blind, Phase 3 Trial (ASPECT-cIAI)

【DB-RCT】複雑性腹腔内感染症に対するCeftolozane/Tazobactamはメロペネムに臨床的治癒率で非劣性(Clin Infect Dis 2015; 60: 1462)

新規抗菌薬のCeftolozane/Tazobactamは耐性緑膿菌やESBL産生腸内細菌にもスペクトラムを広げたセフェム(らしい)。
今回は複雑性腹腔内感染症に対してメロペネムに対する非劣性を証明する目的でおこなわれた試験。
っても複雑性腹腔内感染症はドレナージがうまくいくかどうかで予後がかなり大きく左右されるため抗菌薬の影響は相対的に少なくなり、非劣性は証明されやすいだろうな、と思う。

多施設でおこなわれた二重盲検RCT
ceftolazane/tazobactam(1.5g) + metronidazole(500mg)を1日3回かメロペネム(1g)を1日3回がおこなわれた。
評価項目は試験終了後に臨床的に治癒した率でプライマリでITT解析、セカンダリでPP解析がおこなわれた。
非劣性マージンは10%。

患者群としては約半数が虫垂炎の穿孔や膿瘍形成、約2割が胆嚢炎、約2割はその他消化管穿孔や膿瘍形成。

結果としては、ITT解析での臨床的治癒率は83.0% vs. 87.3%で差がなく、非劣性も証明された。
PP解析での治癒率は94.2% vs. 94.7%でこれまた非劣性が証明された。

ESBL産生菌が検出された患者における治癒率も差がなかった。

ということで、複雑性腹腔内感染症におけるceftolazane/tazobactam + metronidazoleはメロペネムに対して臨床的治癒率において非劣性、という結論。

非劣性を検証するくらいだからceftolazaneはメロペネムに対して治癒率以外に何か利点があるんだろうけど、なんなんだろう。carbapenem sparing agentとしての意味?
また、metronidazoleをわざわざ併用するということは嫌気性菌活性がないということなんだろうか。tazobactamを配合したらそれなりに活性があっても良さそうに思うけど。
  • URL:http://yaplog.jp/dacho_okbokujo/archive/1870
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