米識者「歴史は重要だが圧力は敵に加えるものでは?」

米国の北東アジア専門家3人が見た日米同盟と韓日関係
【インタビュー】ジェームズ・スタインバーグ氏=元国務副長官
「韓日間の歴史関係は重要だが、だからといって過去史を誤用してはならない」
日本は米国の敵ではなく、同盟国…過去史問題で圧迫はせず

米識者「歴史は重要だが圧力は敵に加えるものでは?」

 オバマ政権のアジア政策を立案したジェームズ・スタインバーグ元国務副長官(写真)は28日、韓日関係について「歴史問題は重要で、米国もこれを重視しているが、同時に歴史の誤用に対する他の国々の懸念も理解すべき」と語った。スタインバーグ元国務副長官は、28日の記者会見で「(韓日関係において)重要なのは、両国が相手の直面している問題を理解してやること」という趣旨の発言を行った。

 この発言をめぐり、外交関係者の間からは「今年2月のウェンディ・シャーマン国務次官の発言を思い起こさせる」という指摘が出た。シャーマン国務次官(政務担当)は今年2月27日、あるセミナーの基調講演で「政治指導者らが過去の敵を非難して安っぽい拍手を得ることは難しくないが、こうした挑発は、発展ではなくマヒを招く」と発言した。名指しはしていないが、韓国または中国を念頭に置いた発言と解釈された。

 シラキュース大学マックスウェル・スクールの学長を務めているスタインバーグ元国務副長官は、「米国が過去史問題で日本に十分な圧力を加えていない」という指摘に対しても「圧力は敵に対して加えるものであって、同盟国に対しては加えられない。仮に圧力を加えるとしても、それが生産的・効果的だとは思わない」「米国の役割は、韓日間の意見の違いを解決することではなく、さらなるコミュニケーションにより、お互いが両国の懸念を理解できるよう奨励すること」と語った。

 またスタイバーグ元国務副長官は、安倍首相が今年8月に発表するとみられる「安倍談話」に「侵略」や「謝罪」という文言を含めるべき、という指摘について「ほかの国々の懸念を理解している、と示すやり方を模索するのが肝心で、それを表現する方法は、異なることがあり得る。『具体的な用語として何を使うべきか』は、別に重要ではない」と語った。

 さらにスタインバーグ元国務副長官は、安倍首相が従軍慰安婦問題と関連して使用している「人身売買(human trafficking)」という表現についても「『trafficking』と英訳されている日本語のニュアンスが何なのか理解することに時間をかけ過ぎるのは問題。ニュアンスの把握に集中しすぎず、未来に向かって進展し得る和解の余地があるかどうかの方を考慮すべき」と指摘した。安倍首相は、人身売買の主語を意図的に省略し、慰安婦を強制動員した旧日本軍の責任を否定しようというねらいを露わにしている、という指摘を受けてきた。

 このほか、スタインバーグ元国務副長官は「過去70年間、第2次世界大戦が終わってから、日本はアジア・太平洋地域などで建設的な役割を果たしてきたと考えている。自負に値するもの」とも語った。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 米識者「歴史は重要だが圧力は敵に加えるものでは?」

right

関連ニュース