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 電子部品をつくる大手7社の2015年3月期決算が30日出そろった。スマートフォンや自動車向けが好調で、TDK(東京)や村田製作所(京都)、日本電産(同)が初めて売上高1兆円を超えた。各社とも16年3月期で増収を見込んでおり、勢いは続きそうだ。

 村田製作所の村田恒夫社長は「1兆円をめざしたわけではないが、感激している。今後も邁進(まいしん)したい」。全体の売り上げの4割を占めるスマホ向けが好調で、前年の1・5倍になった。国内での生産が7割を占めており円安も後押しした。

 各社とも自動車分野に力を入れている。中でもモーターを得意とする日本電産は、主力のパソコンの記憶装置(ハードディスク)用から自動車向けに軸足を移す。自動運転化も見据え、ハンドル操作時などに使われるモーターなどに注力する。永守重信社長は「車載は我々が持っている技術が求められる分野だ」。衝突を避けるためのセンサーやカメラが強い京セラの山口悟郎社長は「今年度も自動車関連で10%伸ばす」と話す。企業買収も視野に入れる。(笠井哲也)