日歯連:東京地検が捜索 自民議員への迂回献金容疑で

毎日新聞 2015年04月30日 11時38分(最終更新 04月30日 22時03分)

日歯連の入居するビルの入り口に掲げられていた石井みどり氏と西村正美氏の後援会の看板=東京都千代田区で2015年2月4日、青島顕撮影
日歯連の入居するビルの入り口に掲げられていた石井みどり氏と西村正美氏の後援会の看板=東京都千代田区で2015年2月4日、青島顕撮影
日歯連からの寄付の流れ
日歯連からの寄付の流れ

 日本歯科医師会の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)が、石井みどり参院議員(自民)の後援会に別団体を経由させて法定上限を超す寄付をしたとされる問題を巡り、東京地検特捜部は30日、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で日歯連など関係先を家宅捜索した。関係者から事情を聴き実態解明を進める。【近松仁太郎、石山絵歩】

 政治資金収支報告書によると、日歯連は2013年1月、10年参院選で支援した西村正美参院議員(民主)の後援会に5000万円を寄付。西村氏の後援会は同日に同額を石井氏の後援会に寄付した。日歯連は約2カ月後の3月、4500万円を石井氏の後援会に直接寄付しており、「迂回(うかい)献金」との批判が出ていた。

 石井、西村両議員はいずれも日歯連の組織内候補として擁立された。両後援会は日歯連と同じ東京都千代田区の「歯科医師会館」に事務所が置かれ、代表者は高木幹正・日歯連会長が務めている。事務担当者と電話番号も3団体で同一だが、後援会側は各団体は独立していると説明している。

 日歯連は10年にも西村氏が代表を務める政党支部を経由して西村氏の後援会に迂回献金をしたと指摘されている。

 石井氏の事務所はこれまでの取材に「資金の流れなどは把握していない」と説明。西村氏の事務所スタッフは30日の取材に「担当者が不在でコメントできない」とした。

 政治団体間の寄付は、日歯連の1億円裏献金事件(04年)を機に、政治資金規正法で年間5000万円が上限と定められた。

 【ことば】日本歯科医師連盟(日歯連)

 歯科医が加入し100年以上の歴史を持つ公益社団法人・日本歯科医師会(日歯)の政治団体。1950年、参院選に立候補した日歯役員を支援する団体として届け出たのが始まりで、94年に現名称に改称した。自民党の吉田幸弘元衆院議員への政治献金を巡る政治資金規正法違反事件で2004年2月に東京地検特捜部が強制捜査に乗り出し、自民党旧橋本派への1億円裏献金事件、中央社会保険医療協議会を舞台にした贈収賄事件などに発展した。

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