ピースおおさか:空襲被害と戦後復興を軸に再開
毎日新聞 2015年04月30日 13時13分(最終更新 04月30日 13時38分)
改装のため休館していた大阪市中央区の博物館「大阪国際平和センター」(ピースおおさか)が30日、リニューアルオープンした。改装前に大きく紹介していた旧日本軍による侵略や植民地支配に関する展示は縮小され、空襲被害と戦後復興を展示の中心に据えた。
同館は1991年、大阪府と大阪市が出資する財団が設立。南京事件や朝鮮半島での労働者の強制連行などの加害行為について、写真などを用いて大きく紹介していた。しかし、大阪維新の会の府議らから「自虐的」と批判を受け、昨年9月から休館して改装作業を進めていた。
新たな展示は、大阪大空襲の被害と戦後復興が中心。南京事件は終戦までの流れを説明する映像の一部で扱うにとどめ、慰安婦問題への言及はなくなった。
午後1時の開館に先立ち、松井一郎知事らが館内を見学。松井知事は「偏った見方の展示はやめるべきだと思っていた。満足している」と話した。
一方、改装に反対してきた市民団体「ピースおおさかの危機を考える連絡会」は、館周辺で横断幕を掲げて抗議。世話人の黒田薫さん(76)は「加害行為が抜け落ちては正確な歴史を次世代に伝えることができない」と話した。【大久保昂】