[PR]

 中国国防省は30日、日米が改定した「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)について、「高度に注視している」と強い警戒感を示した。日米同盟の強化は中国の外交戦略の限界も示しており、9月の習近平(シーチンピン)国家主席の訪米に向け、新たな課題を突きつけそうだ。

 同省の耿雁生報道官は30日の定例会見で、ガイドラインの改定について「世界と地域の安定にどのような影響を及ぼすのか、非常に注目している」と牽制(けんせい)。また、日米首脳が南シナ海や東シナ海での中国の動きに示した懸念に「領土主権と海洋権益を守る我々の決心と能力を過小評価するべきではない」と反発した。

 中国の軍事的台頭を背景に改定されたガイドラインについて、中国人民大学の時殷弘教授は「自衛隊の活動から地理的な制約が取り除かれたことは、日米同盟の歴史的な変革だ。中国は強化された日米同盟を踏まえ、安全保障戦略を固めていく必要がある」と話す。