計画中の大規模プロジェクトを網羅的に分析することで、新たなビジネスチャンスが浮かび上がる──。日経アーキテクチュアの調査によると、東京23区内に建設予定の延べ面積1万m2以上の大規模プロジェクトの合計面積は、東京ドーム約400個分に相当することが分かった。さらに同誌は大規模プロジェクトについて、用途別や区ごとの開発動向の分析を実施。“大改造後”の東京の姿を浮き彫りにした。
東京23区内に建設予定の延べ面積1万m2以上の大規模プロジェクトは計315件で、合計面積は1855万m2。これは東京ドーム396個分に相当する。まずは用途の傾向を見てみよう(図1)。
図1 東京23区内で2015年以降に完成する延べ面積1万m2以上の建築物を調査した。調査に当たっては東京都が公開している標識設置届の情報に加え、主要なデベロッパーや設計事務所、建設会社、 計約80社に情報提供を依頼。そのほか、インターネットなどで一般公開されている情報なども加えた。標識設置届は2015年2月12日時点で公開されているもののうち、2015年以降に工事完了予定のものを対象とした(2015年1月~4月に竣工済みのものも含まれる)。竣工時期が「年度」で公表されているものは次年扱いとした(資料:以下も日経アーキテクチュア)
用途別に見ると、最も多いのは複合用途の50.8%(942万m2)。単独用途では住宅19.2%(357万m2)、オフィス7.8%(144万m2)、商業1.0%(19万m2)の順だ。複合用途のプロジェクトは、オフィスを核に商業施設を併設したものが多い。
315件のうち、前回調査(2014年2月発行のムックに掲載)よりも後に明らかになった新規プロジェクトは101件。延べ面積331万m2。約1年の間に東京ドーム70個分の計画が新たに立ち上がったことになる。
図1の左下の小さな円グラフは、その用途内訳を示したもの。全体のグラフに比べて、住宅の割合が多い(98万m2で29.6%)。五輪開催に一番影響された用途は住宅であるといってよいだろう。
■4区で200万m2超
続いて、区ごとの計画面積を見てみよう。
1位は中央区、2位は港区、3位は千代田区、4位は江東区。この4区は200万m2を超えており、5位以下を大きく引き離している(図2)。江東区は上位3区よりも住宅の割合が多い。かつては倉庫地帯、あるいは広大な更地のイメージがあった江東区だが、超高層マンション地帯へとイメージが塗り替わりつつある。
5位以下で100万m2を超えるのは新宿区と品川区で、渋谷区も100万m2に迫る。渋谷区は江東区とは対象的に、住宅の計画がほとんどない。
ちなみに、データ集では横浜市に建設予定の大規模プロジェクトも同じ条件で調査しており、横浜市全体では194万m2だった。23区のランキングに混ぜると、5位となる。
建設、東京、東京五輪、大規模プロジェクト
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