「混雑した」ポジションが総崩れ-付和雷同のリスク浮き彫り
2015/04/30 17:17 JST
(ブルームバーグ):今年の金融市場で最も人気の高いポジションが4月29日に総崩れ的な打撃を受け、付和雷同のリスクが浮き彫りとなった。
過去1年で15%余り上昇したドルは2013年8月以来の長期下落となり、1年で約19%下げていたユーロは反発。原油は値上がり、欧州株は大幅安、米国債は特に理由もなく値下がりした。
これは皆、米連邦公開市場委員会(FOMC)が声明を発表する前のことで、声明に対して市場はあまり反応しなかった。トレーダーらはむしろ、欧州発のデータに反応したようだ。
著名債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏とビル・グロース氏が共に空売りの好機との見方を示しているドイツ国債は売り込まれ、10年債利回りは0.12ポイント上昇し0.29%と7週間ぶりの高水準に達した。
欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)策が奏功している兆候も見られた。29日発表されたユーロ圏のマネーサプライ統計で1-3月(第1四半期)は平均で前年と比べ4.1%増と、2009年以来の高い伸びとなった。
米国では同日発表された1-3月期国内総生産(GDP)統計が景気拡大の低迷を示したにもかかわらず、米国債相場は下落し10年物の利回りが2.08%と6週間ぶりの高水準となった。ならば株が買われたかというとそうでもなく、S&P500種株価指数は0.8%下げた後、0.4%安で終了した。
トレーダーらが神経質で不安定になっていることは明らかだ。「混雑した」ポジションを組んでいる投資家が一斉にそれを解消する真の理由が生じたとき、どれほど痛みを伴うかが想像できる。
原題:The Most-Crowded Trades Come Undone in Markets Roiled by Europe(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lisa Abramowicz labramowicz@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Caroline Salas Gage csalas1@bloomberg.net Paul Cox
更新日時: 2015/04/30 17:17 JST