美女と野獣(2014)
JUGEMテーマ:洋画
「美女と野獣」(2014)
原題:La Belle et La Bete
監督:クリストフ・ガンズ
2014年 フランス=ドイツ映画 113分
キャスト:ヴァンサン・カッセル
レア・セドゥ
アンドレ・デュソリエ
エドゥアルド・ノリエガ
裕福だった父は船が沈没したことで破産する。借金の
カタで打ち上げられた船は奪われ、さらに帰路で吹雪
に遭い、見知らぬ古城にたどり着く。彼は子供たちの
土産をそこから持ち去り、最後に末娘ベルに頼まれた
バラを摘むと、野獣が現れるのだった。
<お勧め星>☆☆☆ 美しい映像とのどかなラストで
幸せな気分になれます。
子供を寝かしつけるために物語として読み聞かせる母親
の口元とページをめくる手だけが映ります。ラスト付近
でこれが誰かわかると気分がいいです。
好奇心旺盛な子供たちは「先を」と話の続きをせがみます。
この映画では原作小説「美女と野獣」で触れられなかった
「なぜ王子は野獣になったのか」という野獣の過去を描いて
おり、美しいホタルが飛び回り始めると、過去の映像が
次々に繰り出されていきます。
ストーリーは裕福な商人一家がどうして破産し、田舎暮らし
をしなければならなくなったのかが、やや滑稽に描かれます。
商人の子供は息子3人、娘3人いるのですが、上の娘2人は
本当に似た者同士で、贅沢暮らしがぬけ切れません。末娘
ベル1人が畑を耕し、家族の生活を支えているらしい。で、
なぜか影が薄い男兄弟のうち放蕩息子のマキシム以外は名前
すら覚えられません。とほほ。
ベル役はレア・セドゥ。時に少女、時に大人の女性の雰囲気を
漂わせる不思議な魅力の女優さんです。
沈没した船が打ち上げられたものの、船も積み荷も借金のカタに
とられ、マキシムはどこかに行ってしまうし、父は一人でとぼとぼ
家路につくのです。ところがなぜか猛吹雪かつ雪道を滑り落ちて
しまう。すると、目の前に見知らぬ古城が現れ、その中には豪華
な食事と子供たちにせがまれた土産品がそろっています。
「ちょっと拝借するよ。あ、ベルはバラが欲しいと言っていたな。」
古城を覆っているバラから一輪花を摘むと、あらら大変、野獣の
怒りを買ってしまうのです。この時巨人がいたんだけど、あれは
終盤にも出てきますが、なんなのかしら。この巨人が
「でいたらぼっち」
みたいでちょっとおかしい。それと野獣が意外と怖くないんです。
だから父に代わって古城にやって来たベルも、最初は卒倒するほど
驚きますが、結構すぐに慣れてしまう。ちなみに元の王子役は
ヴァンサン・カッセル。個人的には、映画内での悪役ペルデュカス
の方が似合っていると思います。
古城の中にはいつも豪華なドレスが置いてあるし、調度品も立派。
さらに外の景色は緑あふれる素晴らしいものです。これがCG・VFX
を駆使して作り出しており、一見の価値があります。ドレスで森の
中を駆け抜けるシーンはレア・セドゥ本人がとても大変だったと
語っている通り、1つ1つの動きの細部に至るまでこだわりが
込められています。
ベルがもう一回家族に会いたいとい申し出をすると、野獣は一緒に
ダンスを踊ることを条件に承諾します。でも帰宅した家でなぜ兄達
が武装しているのか説明はないので、どうせ放蕩兄貴のせいだろうと
勝手に推測。そして話はクライマックスへ突入するのです。
でもー、いつからベルは野獣を愛し始めたのか、ちょっとわかりづらい。
そこを描くと長くなるのかな。
終盤付近のペルデュカス一味の動きと、古城へ急ぐベルの姿が交互に
映るのは、もっと早く先を読んで!という気持ちがよくわかるものです。
スロー映像も効果的に取り入れられ、安心して見られる幸せなラスト
でした。めでたしめでたし。
- 2015.04.30 Thursday
- ヨーロッパ、ロシア映画★★★
- 16:31
- comments(1)
- trackbacks(0)
- -
- by マープル