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【新説】カメレオンの体色変化
これまでカメレオンの体色変化は色素によるものと考えられていた。だが、ジュネーブ大チームによると、皮膚に含まれるナノ結晶を調整することで光の反射を変化させ体色を変えていることがわかったという。
■体色変化の秘密は虹色素胞に
雄のカメレオンは体を目立つ色に変化させて交尾相手を引き付けたり、ライバルを威嚇して追い払ったりする。捕食動物から逃れるために体色をくすませることもある。
例えば、今回の研究に用いられた成体のパンサーカメレオンは、皮膚の地の色を緑から黄色やオレンジに変化させ、青い斑点を白っぽい色に変えたり元の色に戻したりもする。
体色を変化させる動物の大半は、色素胞(しきそほう)の一種である黒色素胞という細胞の中で色素メラニンが分散したり凝集したりして、体色の明るさが変わる。このため、色の純度は変えられても色調は変化しない。
研究チームによれば、カメレオンの体色変化も長年このプロセスで説明できると考えられてきたが、この説は誤りだったことが判明。カメレオンの皮膚を分析した結果、色素細胞のすぐ下にある虹色素胞と呼ばれる細胞層で透明ナノ物質の光結晶が体色変化を調整していることがわかったという。
虹色素胞は他の爬虫類やカエルなどの両生類にもみられ、他の脊椎動物にはあまりない緑や青といった体色を発現させている。カメレオンの場合は、虹色素胞内のナノ結晶格子を「調整」して光反射を変化させているという。
論文によれば、平静時のカメレオンではナノ結晶格子が密集状態になり入射光から青の波長が反射される。これに対し、興奮時には格子が緩んで黄色や赤などの他の色が反射されるようになる。
研究チームはこの現象を、興奮前と後のカメレオンの皮膚の生検結果に加え、光学顕微鏡法と高解像度動画撮影を用いて解明した。
■断熱効果も
スイス大チームは、このほかにもカメレオンの皮膚の深層部に第2の虹色素胞層が存在することを発見した。
第2の虹色素胞層の結晶は、第1の虹色素胞層より大きいが整列の度合いは不規則で、強力な太陽光中の赤外線を反射する断熱の機能を果たしている。
この虹色素胞が二層に重なった構成を、研究チームは「進化的新奇性」に相当すると指摘。これにより、カメレオンは熱から身を守る受動機能を保ちながら、外的の目をくらます擬態と自身を誇示する体色の瞬時切り替えを可能としていると説明した。チームによれば、他の爬虫類が持つ虹色素胞は1種類だけで、これには体色を変化する機能はないという。
チームが次に目指すのは、カメレオンの結晶格子の調整を可能としているメカニズムの解明だ。
虹色素胞、ナノ結晶格子、光反射・・・
う〜ん、なかなか難易度高いですね。
でもカメレオンの一瞬の体色変化は
「色素の分散と凝集」というよりは
「光の反射」の方が
確かにスピード感が合っていて
説得力があるように思いますが
いかがでしょうか?