双葉社について
ルパン三世、子連れ狼、じゃりン子チエ、クレヨンしんちゃん…。漫画好きの人ならだれでも一度は読んだことのある名作ばかりです。そして漫画を普段読まない人でも、その名前は知っているという人が多いのではないでしょうか。これらの漫画には共通点があります。それは、全て双葉社から出版された漫画だと言うことです。双葉社は創立66年を迎える老舗出版社です。その歴史の中からは、上記の作品以外にも多くの名作が生み出されてきました。
双葉社とは
双葉社は、東京都新宿区に本社を置く日本の出版社です。1948年5月に設立した老舗です。当初は大衆娯楽路線を追求していたのですが、雑誌、漫画から新書や文庫や単行本などの書籍まで様々な分野を取りそろえる総合出版社となっています。看板雑誌は、「週間大衆」と「漫画アクション」です。1958年創刊の「週刊大衆」は色と欲とスキャンダル路線を採用して、徳間書店の「アサヒ芸能」、日本ジャーナル出版の「週刊実話」と並ぶ、ブルーカラーと水商売向けの週刊誌として定着しています。居っぽい、1967年創刊の「漫画アクション」は、劇画路線をとる青年漫画誌のパイオニアとして知られています。モンキー・パンチの「ルパン三世」、小池一夫と小島剛夕の「子連れ狼」、長谷川法世の「博多っ子純情」、はるき悦巳の「じゃりン子チエ」、いしいひさいちの「くるくるパーティー」、植田まさしの「かりあげクン」、臼井儀人の「クレヨンしんちゃん」等の国民的ヒット作を連発していました。1990年代後半以降は今一つヒットに恵まれませんでしたが、2000年代後半からは武富健治の「鈴木先生」や村上たかしの「星守る犬」といった話題作が生まれています。書籍では「週刊大衆」に1969年から連載された阿佐田哲也の「麻雀放浪記」の単行本がベストセラーになりました。1984年には「漫画アクション」連載の関川夏央のノンフィクション「海峡を越えたホームラン」が第7回講談社ノンフィクション賞を受賞しました。1990年代には多数のゲーム攻略本を出版していました。ポケットベルと携帯電話の着信メロディを扱った書籍は、1998年に大ヒットした「ケータイ着メロ♪ドレミBOOK」を筆頭に、累計で2001年までに600万部を達成しました。2001年頃から沖縄関連の書籍を相次いで刊行し、新境地を開いています。近年は佐伯泰英の「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズや、湊かなえの「告白」がベストセラーになっています。
双葉社の歴史
1948年、岐阜県岐阜市の米穀商の矢澤領一が「大衆娯楽の殿堂」をモットーに設立しました。社名は、大相撲の横綱だった双葉山に由来します。第二次世界大戦直後の出せば売れる出版ブームに乗って、編集を担当する実弟の矢澤貴一ら兄弟3人で「花形講談」を創刊しました。その後も「読切傑作集」「傑作倶楽部」「小説の泉」「大衆小説」「剣豪列伝集」など大衆読物雑誌を続々と創刊しました。表紙や誌名が異なっても中身と執筆陣は代わり映えしなかったため、社長の矢澤はこれを「キャラメル戦法」と称していました。1952年から1953年にかけて、本社を岐阜市から東京都へ移転しました。千代田区の神田神保町を経て、新宿区市ヶ谷に本社を据えました。さらに1984年に新宿区に新社屋を建立して移転しました。
「週刊大衆」の創刊
1955年に新潮社から初の出版社系週刊誌「週刊新潮」が創刊されました。それまでは週刊誌は新聞社でなければ不可能と言われていたため、週刊新潮の創刊は常識を打ち破る衝撃的なものでした。これを受けて、3年後の1958年、双葉社も「週間大衆」を創刊しました。出版社系では3番目に創刊された週刊誌となりました。さらに「週刊実話特報」「推理ストーリー」などを創刊。この時「世界秘境シリーズ」「別冊実話特報」などの実話・秘境路線を担当していた編集者は後に大陸書房を興す竹下一郎でした。1967年には「漫画ストーリー」の執筆陣による週刊の漫画雑誌「Weekly漫画アクション」を創刊し、同年の少年画報社「ヤングコミック」、1968年創刊の小学館「ビッグコミック」、秋田書店「プレイコミック」や同系統の芳文社「週刊漫画TIMES」、実業之日本社「漫画サンデー」、日本文芸社「週刊漫画ゴラク」とともに青年漫画誌を定着させました。
世代交代
1970年に矢澤一族は大手証券会社系の会社に双葉社を譲渡して、一族会社から脱皮します。社外から洋紙会社社長の瀬川雄章が社長に就任しますが、この人事に社員が反発して経営陣と対立しました。混乱の中で瀬川が急死したため、「漫画アクション」を創刊した清水文人が後継の社長となり、以後は双葉社の出身者が経営トップに就任するようになっています。1973年1月には「小説推理」を創刊しました。同誌が主催する小説推理新人賞では大沢在昌などのベストセラー作家を生み出しています。1987年からは家庭用ゲーム機ファミリーコンピュータの攻略本を手掛けるようになり、1980年代のファミコン全盛期にはファミコン冒険ゲームブック、1990年代には雑誌ファミコン4コマ王国を創刊し4コマまんが王国シリーズを、2000年代には4コマKINGDOMシリーズを数多く出版しています。そのため元々は攻略本からアンソロジーに至るゲーム出版物に強みがあったのですが、4コマまんが王国の実質的終息やゲーム雑誌廃刊に伴う攻略本出版の減少でかつての勢いはなくなりつつあります。また、この流れからパチンコの攻略本を出すようになり、「パチンコ攻略マガジン」の創刊に繋がっています。
刊行物
主な雑誌
- 双葉社Webマガジン
- …公式ホームページ内で運営するウェブコミック配信サイト。
- WEBコミックアクション
- …ウェブコミック配信サイト。2013年4月に双葉社のウェブコミックを統合して誕生した。
- 漫画アクション
- …青年漫画雑誌。1967年に創刊。現在は月2回刊雑誌として刊行。
- まんがタウン
- …4コマ漫画専門雑誌。2000年に創刊。現在は原則として毎月5日に発売。
- アクションピザッツ
- …非成年指定成人向け漫画月刊誌。毎月21日発売。
- 月刊アクション
- …2013年に創刊した月刊漫画雑誌。毎月25日発売。
- 週刊大衆
- …1958年4月に創刊した双葉社の看板雑誌。ブルーカラーと水商売向けの週刊誌として定着している。
- EX大衆
- …2005年8月に創刊した「週刊大衆」の姉妹誌。毎月15日発売。
- 小説推理
- …月刊の小説誌。1961年に創刊した「推理ストーリー」が1969年の「推理」への改題を経て、1973年から現在の「小説推理」となった。推理小説のみならずエロティック小説、時代小説、SF小説も掲載。
- パチンコ攻略マガジン
- …略称・パチマガ。1987年11月に創刊したパチンコ情報誌。編集プロダクション「プラントピア」の社員である「攻略軍団」が編集の主体となっている。
- パチスロ攻略マガジン
- …略称・スロマガ。1993年9月に創刊したパチスロ情報誌。4号機初期(1994年頃)に通常時のコイン持ちの差を利用し、パチスロの設定を外から見抜く「設定判別打法」を開発したことで知られる。
- パチンコ10番勝負
- …2005年5月に創刊したパチンコ漫画誌。巻頭・巻末には新機種情報や攻略コラムなどが「パチンコ攻略マガジン」の提供で掲載される。
- 爆裂!!パチンコ10番勝負
- …2009年に創刊した「パチンコ10番勝負」の増刊号。奇数月の25日に出版される。
- パチスロ激魂
- …2011年11月に創刊したパチスロ漫画誌。巻頭・巻末には新機種情報や攻略コラムなどが「パチスロ攻略マガジン」の提供で掲載される。
- ブラボースキー
- …1981年創刊のスキー専門誌。シーズン月刊誌であり、スキーシーズン中のみ発刊。主にフリースタイルスキー向けの内容となっており、大会やイベントの情報やフリースタイルスキーの技術を記載している。
- サッカー批評
- …1998年4月に創刊したサッカー隔月刊誌。誌面は特集記事、インタビュー、対談、座談会、コラムなどを中心に構成されている。
- フォトコンライフ
- …フォトコンテストの専門誌。季節に応じた写真の撮り方を記載。DVD付き。
- 陶磁郎
- …やきものに関する季刊誌。現在休刊中。
- JILLE
- …2001年10月に創刊した女性向けファッション雑誌。ワンランク上のリアルカジュアルをキャッチフレーズとし、主に原宿ストリート系のファッションを提案。2014年2月に休刊。
- JOURすてきな主婦たち
- …1985年に創刊した女性向け月刊漫画雑誌。25歳以上の既婚女性を主な読者層にもつレディースコミック誌で、大人の恋愛をテーマとした作品を中心に掲載している。
- コミックハイ
- !…2004年に創刊した月刊青年漫画雑誌。「男性向け少女漫画誌」と題した、男性読者をターゲットとした少女漫画誌という破天荒な編集方針で業界の注目を集めた。
- &home
- …女性を意識したインテリアとハウジングを特集する雑誌。
- EDGE STYLE
- …2010年6月に創刊した女性向けファッション雑誌。「個性(EDGE)」をテーマに、モデルたちが独自の切り口で様々な情報を発信していく。
- girls!(旧名:Girls!)
- …主にアイドルなどを扱う雑誌。
- あの国でこれがやりたい
- !…年4回発刊の留学雑誌。現在休刊中。
- グレートメカニック
- …ガンダムを中心としたメカに関するうんちく本。
かつて発行していた雑誌
- 週刊パワァコミック
- 100てんコミック
- 週刊少年アクション
- アクションHERO
- アクションキャラクター
- A-ZERO
- MiL
- ACTION YOUNG
- Nintendo Kids
- もえよん
- まんがタウンオリジナル
- スーパーロボットマガジン
- COMIC SEED!(WEBコミック)
- 月刊スーパーアクション
- 月刊実話タイムス
- 漫画ギャング
- 男性自身
- サラリーマン実益情報
- パピヨン
- 別冊漫画アクション
- COMIC SHOP HAMBURGER
- ビジネスアクション
- ギャグアクション
- 漫画アクション増刊王
- コミック麒麟様
- アクションラボ
- アクションデラックス
- Crazy Bass(クレージーバス)
- Men's YOUNG
- COMICすもも
エンジェル出版について
1998年に成年コミックを出すため、関連会社として「エンジェル出版」を設立しました。営業部部員は双葉社の社員が兼務し、社長は双葉社取締役の梓沢雅治が務めました。エンジェル出版設立後も成人指定マークなしのコンビニ売り誌に関しては引き続き双葉社から刊行が続き、アクションコミックスは一般向け作品と成人向け作品が特に区別されていない渾然とした状態だったのですが、2012年以後は成人向け作品単行本は全面的にエンジェル出版側(エンジェルコミックス)へ移管し、中には続刊中にレーベル変更になった作品もありました。双葉社の看板誌である漫画アクションが2003年から1年間休刊するなど一般向け部門が低迷した時期には実質的に漫画部門を成人向け作品が占めていたこともありました。