慶子たちは日本軍と共に移動し、「兵士2円、将校5円」の慰安所生活を7年半以上続けた。ミャンマーで日本軍が全滅すると、密林を歩いて日本軍収容所に到着した。日本軍将校らは慶子たちを追い出そうとした。ある将校が「皇軍があんな女たちを連れている事実が知られると、体面を保てない。ビルマの平原で死んでも構わない。どうせ慰安婦じゃないか」と言った。軍医が「看護補助員と言えばよい」と言ってやっと横になれる場所を得た。引き揚げ船で日本に戻った時、慶子たちは長い戦争中に受け取った金が、貨幣改革の影響で紙くずになったことを知った。
日本の安倍首相が26日に米国に向かった。彼が歴史問題についてどのように語るか、元慰安婦女性たちは注目している。安倍首相は「戦争を反省する」と一言述べた後、植民地支配や慰安婦問題には言及しない可能性が高い。米国は日本と戦争はしたが、植民地支配などとは直接関係がない。米日同盟が絶頂に達している今、韓国の言うことを聞いてわざわざ雰囲気を壊す理由などない。中国もこの問題よりも国益を優先している。それは先日のバンドン会議でまざまざと見せつけられた。
多角外交は非常に難しい。終戦から70年を迎える今年8月、新たに「安倍談話」が発表されるまでまだ時間がある。米国と中国が韓国を後押しするかどうかに関係なく、韓国は安倍首相に「村山元首相と同じく、植民地支配に対して痛切に謝罪せよ」と要求しないわけにはいかない。今それを怠ると、これまで戦ってきた理由まで崩れ去ってしまう。
われわれが深く考えねばならないのは8月以降だ。安倍首相が仮に謝罪したとしよう。これを受け入れるべきだろうか。謝罪しなかったとしよう。ではどうするのか。大統領府と外交部(省に相当)はこれについてどう考えているのか気になる。われわれは「次に安倍は何を言うのか」と安倍首相の口ばかりを見詰めている。