もう一枚のベートーヴェンが出てこない!

村上さんに何を質問しようか散々考えたあげく、締め切りが迫って来たのであせってメールします。
海外在住25年になります。本当は日本や世界の政治動向などについて村上さんに聞いてみたい事は沢山あるのですが、この場では不適切なのであきらめます。
先日このサイトで、村上さんはベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲Op.131がお好きだと書いてありました。私の好きな曲でもありとてもうれしかったです。家にはこの曲のCDが2枚あり、それぞれ違う演奏者で録音されたものです。同じ曲でも演奏者によって受ける印象がまったく違うことに感動しました。ちなみに村上さんはどの演奏者で聴いていらっしゃるのでしょうか。家にあるのは、「Alban Berg Quartett」と、もう一枚の方が何故か探しても見つかりません。こういう時に限って。そちらの方が好きなのに。確かチェコのカルテットだったと思うのですが。
(勝手に「村上主義者」北欧支部第一号、女性、55歳、デザイナー・大学講師)

今、僕はうちのレコード棚からは離れたところにおりまして、記憶をたどるしかないのですが、僕がいちばんよく聴いているのは、ブダペストSQとジュリアードSQの演奏です。どちらもアナログです。それからCDではエマーソンSQのものを聴いています。他にももっとあったと思うんだけど、急には思い出せません。オーケストラに編曲されたものでは、バーンスタイン+ウィーン・フィルのものがあります。あなたのおっしゃるチェコのSQはたぶんスメタナSQのことだと想像するのですが。しかし何度聴いても、不思議な構成の曲ですよね。

村上春樹拝