トップページ政治ニュース一覧春の叙勲 4087人が受章へ
ニュース詳細

春の叙勲 4087人が受章へ
4月29日 5時00分

春の叙勲 4087人が受章へ
k10010064561_201504290533_201504290534.mp4
ことしの「春の叙勲」の受章者が発表され、各界で功労のあった4087人が受章することになりました。
ことしの「春の叙勲」を受章するのは、「旭日大綬章」が10人です。また、「旭日重光章」と「瑞宝重光章」が合わせて53人、「旭日中綬章」と「瑞宝中綬章」が合わせて308人、「旭日小綬章」と「瑞宝小綬章」が合わせて863人など、全体で4087人です。
民間からの受章者は1800人で、全体に占める割合は44%で、これまでで最も高くなっています。
女性の受章者はこれまでで最も多い386人で、全体に占める割合は9.4%と最も高くなっています。
「旭日大綬章」は▽元東京都知事で、運輸大臣などを務めた石原慎太郎さん、▽内閣官房副長官などを務めた漆間巖さん、▽東芝の元会長で日本商工会議所の会頭などを務めた岡村正さん、▽日本医師会の会長などを務めた唐澤祥人さん、▽国家公安委員長などを務めた小平忠正さん、▽防衛庁長官などを務めた斉藤斗志二さん、▽日立製作所の元会長で経団連の副会長などを務めた庄山悦彦さん、▽連合の会長などを務めた高木剛さん、▽自治大臣や文部大臣などを務めた保利耕輔さん、▽住友化学の元会長で経団連の会長などを務めた米倉弘昌さんが受章します。また、「旭日中綬章」を▽囲碁棋士として数多くのタイトルを獲得した大竹英雄さんらが、「旭日小綬章」を▽落語家として活躍している桂文枝さんらが受章します。
このほか外国人叙勲では、36の国と地域からこれまでで最も多い85人が受章することになりました。叙勲の親授式や伝達式などは、来月8日から行われます。

石原さん「やることはやってきた」

「旭日大綬章」を受章する石原慎太郎さんは、82歳。大学在学中に、小説「太陽の季節」で芥川賞を受賞しました。昭和43年の参議院選挙で初当選し、その後、衆議院議員に転じ、運輸大臣などを歴任しました。平成11年からは、東京都知事を務め、有害物質を排出するディーゼル車の規制などに取り組みましたが、平成24年に4期目の途中で辞職し、衆議院選挙に立候補して9回目の当選を果たし、日本維新の会の共同代表や、次世代の党の最高顧問を務めました。
石原さんは「やることはやってきたと思う。東京都知事も長く務めたが、非常に誇らしく思っているのは、国と協力して羽田空港に4本目の滑走路を整備できたことだ。早く整備できたことで、羽田空港を日本の第2の国際空港とすることができた」と話しています。また、石原さんは「アラブと東南アジアを対象に、若い芸術家を招いて交流しようと思っている。こうした活動を大きく広げていくことを、生きているかぎりやっていきたい」と話しています。

高木さん「労働組合の役割まだまだ大切」

旭日大綬章を受章する高木剛さんは、71歳。平成14年に当時の「UIゼンセン同盟」の会長に就任するなど、長年にわたって労働運動に携わり、平成17年に連合の会長に就任し、2期4年務めました。
高木さんは「働く人たちの生活や権利の改善を常に考えて、活動に取り組んできた。今回の受章は、『日本社会で労働組合の果たすべき役割はまだまだ大切であり、その役割を大切にしていきなさい』という意味だと思う」と話しています。また、高木さんは「ここ15年ほど、非正規や低所得の労働者が急速に増えたことから、連合として、格差拡大の問題に取り組んだことが印象に残っている。人間が働くことには、常に課題が伴い、それを労働者の立場で考え続けていくのが労働組合の仕事だ。そうしたスタンスを変えずに、できることがあればやっていきたい」と述べました。

保利さん「三権分立の形で国会も機能を」

旭日大綬章を受章する保利耕輔さんは80歳。昭和54年の衆議院選挙に自民党から立候補して初当選し、連続12回、当選しました。文部大臣や自治大臣などを務め、平成17年に郵政民営化に反対して、いったん自民党を離党しましたが、その後、復党し、党の政務調査会長や憲法改正推進本部長などを歴任しました。
保利さんは、「私ごときが受章するのは、おこがましいという気持ちがあるが、国民、とりわけ地元の佐賀県民の皆さんに大変な手厚い支援と指導をいただいた結果であり、光栄の至りだ」と話しています。また、保利さんは「日本の政治の骨格は三権分立の形であり、国会も機能を果たしていかなければならない。政府の言いなりでは三権分立にならず、国権の最高機関である国会の在り方は、今後の政治の大きな課題だろう」と話しています。

岡村さん「世界のスピード意識を」

「旭日大綬章」を受章する岡村正さんは東京都出身の76歳。東芝の社長や会長を歴任し、IT不況で採算が悪化した記録用の半導体「DRAM」事業からの撤退を決めるなど大胆な改革を進めました。平成19年に日本商工会議所の会頭に就任し、任期中に東日本大震災で被災した中小企業や、海外展開を目指す中小企業の支援などに力を尽くしました。
今回の受章について岡村さんは記者団に対し、「身に余る光栄で、これも全国の商工会議所のご支援のたまものだ。心から御礼申し上げたい」と述べました。また、岡村さんは日本商工会議所の活動で印象に残っていることとして震災の復興支援をあげ、「全国の商工会議所が被災地におよそ3000の機械などを無償で提供し、喜びの声が寄せられたことが大変よかった」と述べました。さらに、岡村さんは今後の産業界に向けたメッセージとして、「若い経営者には私たちの時代と比べるのではなく、世界のスピードの中でどうやっていくのかを意識してもらいたい」と述べました。

米倉さん「命の続くかぎり一層貢献」

「旭日大綬章」を受章する経団連の前会長の米倉弘昌さんは兵庫県出身の78歳。住友化学の社長や会長を歴任して、アジアや中東で石油化学コンビナートの建設を進めるなど、事業の海外展開に積極的に取り組みました。また平成22年から4年間、経団連の会長を務め、経済界を代表する立場からエネルギーの安定供給や社会保障と税の一体改革などで政策提言したほか、会員企業と協力して東日本大震災の被災地にガソリンや生活物資を送るなど、震災の復旧や復興にも取り組みました。
今回の受章について米倉さんは記者団に対し、「会社の経営や化学業界、経団連関係の仕事について評価されたのではないかと思いますが、役員や社員の協力、経団連では副会長や事務局の皆さんのご協力があって初めて成し遂げられたことで、改めて、皆さん方に感謝申しあげたい」と述べました。さらに、米倉さんは「受章した以上、命の続くかぎり、国のため、業界のため、一層貢献するよう努力して参りたいと思います」と述べました。

大竹さん「囲碁の楽しみ訴えたい」

旭日中綬章を受章する囲碁のプロ棋士、大竹英雄さんは北九州市の出身で72歳。大局的な視点に立ち、じっくりと厚みのある手を進める「大竹美学」と呼ばれる棋風で、これまで合わせて48のタイトルを獲得し、平成14年には名誉碁聖となりました。また、持ち時間の短い碁にも強く、「早碁の神様」と呼ばれたほか、平成20年12月から3年半、日本棋院の理事長を務めて、囲碁の普及に貢献してきました。
大竹さんは「私ごときがという思いですが、ただただ感謝の気持ちです。これまで自分の中の最善を尽くして、誰が見てもおかしくない棋風を作りたいという気持ちでやってきました。皆さんにも囲碁を楽しんでほしいですし、囲碁には勝ち負けだけでなく、いろいろな楽しみがあることを訴えていきたいです」と話しています。

桂文枝さん「喜んでばかりいられない」

旭日小綬章を受章する落語家の桂文枝さんは、大阪府出身の71歳。昭和41年にのちの五代桂文枝に入門し、テレビ番組で幅広い人気を集めるほか、創作落語に取り組み、これまで230席を超える作品を作り出しました。また、戦争で焼けた上方落語の寄席を復活させようと今から9年前、大阪に「天満天神繁昌亭」が創設されたときは、率先して寄付金を募るなど力を尽くしました。3年前、江戸時代から続く大名跡の「六代桂文枝」を襲名し、現在、上方落語協会の会長を務めています。
文枝さんは「桂米朝さんが亡くなったあとに勲章をいただくことになり、『あとはしっかりやれよ』という意味だと思います。運命的なものを感じるとともに喜んでばかりはいられないと思います。来年は芸歴50年となるので、創作落語300本を目指すとともに、若手の育成に力を入れたい」と話しています。

関連ニュース

k10010064561000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ