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アジア連帯会議参加者の感想

昨年開催された第9回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議に参加されたお二人の感想を了解をえて紹介します(「旧日本軍『慰安婦』問題の早期解決をめざす会」のニュースより
(大森)

戦時性奴隷被害者に一日も早く公的謝罪と賠償を
 Nさん
 東京で行われた第9回アジア連帯会議に初めて参加しました。
 私達は、07年11月と08年6月神戸で開催した「証言集会」で、被害者を前に、「一日も早い解決のためたたかう」と約束と決意を表明。実行委員の1人としてその責任を感じながらの参加でした。

熱気あふれる会場
 東京では3回目の今年の連帯会議は、これまでにも増して日本で開催される意義は大きいものでした。被害者たちは高齢となり、次々と亡くなる中でもう、残された時間がなく、日本政府に一日も早い謝罪と補償を実現させなければならないからです。
 会場は時間前から満員で、参加者の熱気を感じました。初めに、これまで亡くなられた被害者に全員で黙祷を捧げました。中国・韓国・台湾・フィリピン、初来日の東チモールなどの被害女性11人や支援者など10カ国40人の海外からの参加者を含め約400人が証言を聞き、討論をしました。

イ・ヨンスさんと再会
 一昨年から昨年にかけて、世界各国から決議が出されたなかで、各国のとりくみが紹介されました。
 アメリカ・カナダの活動家、韓国の女性議員も参加、韓国のイ・ヨンスさんとは半年ぶりの再会をしました。もう、すっかり旧知の仲になって肩を抱き合いました。お元気で明るく会場の雰囲気を盛り上げようとされていました。フィリピンからはリラ・ピリピナのリチェルダさんも参加。ナルシサ・クラベリアさんとピラール・フリアスさんは来られず、別の被害者の方でした。
 前回、通訳で来られた沢田さん(マニラ新聞記者)も来られていて通訳されていました。
 リチェルダさんは、3月に私たちが送った「パソコンカンパ12万円」に対し「ありがとう。皆さんによろしくと伝えて」とお礼を言われました。
 
被害者と心通う交流
 夜は、海外からの参加者の歓迎レセプション。中国からは「太極拳の扇の舞」みたいなもの、東チモールの歌、ヨンスさんは韓国の民謡に合わせて踊るわ、歌うわで大活躍。つられて私たちもダンスの輪の中に入りました。神戸の証言集会プレ企画のとき、講演された元参議院の吉川春子さんと一緒に写真を撮ったり、西野瑠美子さんともご挨拶をしました(兵庫の3・8国際女性デーでお世話になった)。
 ナヌムの家で奉仕する村山一兵さんは飾らない人柄で打ち解けていましたが、私には日本男性の名誉回復の特別の存在と感じられます。
 明るく、楽しい中でも被害者へのいたわりと女性ならでは連帯感を深く感じたレセプションでした。

勇気ある未来への証言
 各国の被害者たちの報告は、再び悪夢の記憶が呼び起こされたような時間ですが、これがまだ覚めないこと、解決されないことのもどかしさが痛感されました。
 これはまた、過去のことではなく、今も戦場において繰り返されている性暴力として世界中から「犯罪」として認知されなければならないこととして、未来へ向かってのメッセージを勇気をもって発しておられることに敬意を覚えました。
 東チモールの参加者は、高齢にもかかわらず、遠い田舎からバス、電車、飛行機を乗り継いで何時間もかけての参加でした。
 
実現したい再会の旅
 昼休みには、イ・ヨンスさんと出会ったので「今度、会いに行きますね」と言ったのですが、実現できたらいいなと思います。犠牲者たちは「私たちを忘れないで」という思いがあるからです。皆さん、今度、韓国に行きませんか?

歴史の改ざんを許さない
 参加者は日本政府に、日本軍による性奴隷の事実を認め公式謝罪と法的賠償を行う、教科書に正しく記載するーなどを求める決議を採択し、一日も早い解決のために全力をつくすことを誓い合いました。そして、女性の人権を守るために戦争犯罪の歴史を消そうとする動きを許してはならないと強く思ったのでした。

25日国会への直接行動の報告
Fさん

政府へ署名提出
 25日午前中は、各国運動団体と被害者らによる議会要請行動が行われましたが、私はそれには参加せず、「大阪・神戸・阪神連絡会」が実施した“日本軍「慰安婦」問題に関して、政府の誠実な対応を求める署名”を提出するため、関西から一緒に来た人たちと参議員会館に向かいました。
 皆さまのおかげで4,167名分集めることができました。ご協力ありがとうございました。
 請願と署名は参議院と衆議院と内閣のほうに提出することになります。(2008.12.8.の時点で参議院、衆議院、内閣府に請願は提出受理されています。審議はまだです)

議員会館前デモ
 午後1時から参議院会館前で、スタンディングデモが開催されました。我々もさっそく参加しました。既に数十人の方々が各地、各団体で作った横断幕を手に手にスタンディングしていました。
 参議員会館前では、戸籍法改正に反対し田母神を支持する会がアジテーションをしていました。アジテーションは悪意と差別に満ちたものでした。彼らが立ち去ると中国から来られた郭喜翠さんが車椅子に座られて参加、そしてイヨンスさんとキルウォノクさんが参加されました。
 すっかり冬の季節となった東京で沿道に長い間立ち続ける被害女性の方々の姿は頼もしくもありましたが、ここまでしなければならない、そうさせている日本政府と無関心でいる「日本国民」に情けなさと怒りを感じざるを得ませんでした。

参議院での院内集会
 国会議員10名のほか多数の議員秘書ら、カナダ、オランダ、EU、インドネシア各国の大使館からの参加、全国から運動団体や支援団体、また各国の支援団体・NGO、プレスなどがつめかけ身動きできない状態で、正面には11人のサバイバー(被害女性)の方々が座られました。
 会場の人々がこの問題に対して真摯に解決を求める気持ちと被害女性に対して畏敬と尊敬の気持ちを持っていることが感じられました。
 司会者は、早急な課題として立法化、選挙に向けたアクション、各地域から政府への意見書を挙げる運動を全国に広げることを提起し、参加された各党議員全員らが発言、そして今回唯一の海外国会議員である韓国の郭貞淑議員がスピーチをされました。
 国家として責任を取って謝罪・賠償することは未来の世代のためになさなければならないこと、また被害者が次々となくなられてきていることに触れ、この問題解決の緊急性を訴えられました。

被害者お二人の証言を聞いて

李秀山さん(韓国)は“15歳のときに中国の「慰安所」に連れて行かれ、逃げようとして焼きゴテを体のあちこちに当てられた、妊娠したが堕胎手術させられ知らぬ間に子宮ごと取られてしまった、帰りたいと軍人に言ったら、天皇陛下が戦争をやめるといわなければ帰れないといわれた”と、この部分は日本語で言われました。
 ほかの被害者の方も聞きながら涙を拭かれたり、硬い表情でだまっておられました。
 途中で「もう話したくない!」と号泣しながらも、最後まで証言されました。解放後も60年間中国で暮らさなくてはいけませんでしたが、やっと2005年に国籍を回復し帰国されました。

エスペランサ・アメリア・フェルナンデスさん(東ティモール)は
 「幼いころ日本軍が東チモールにやってきて、牛や馬のような扱いを受けレイプされた、私は日本政府に対して謝罪を求めたい、私の頭と心には恥ずかしいと気持ちがつまっている」と話されました。
 勇気をもって自ら証言をされていても、心の傷をいまも持ち続けておられる被害者の方の苦しみを少しでも和らげることが求められます。やはり被害者の方々は紛れもない歴史の生き証人であり、私たちの運動の希望であると思いました。

各国支援団体・NGO代表の発言
 韓国、中国、台湾、フィリピン、東ティモール、インドネシアのそれぞれの国内事情も含め、被害女性の状況、運動の状況や政府の対応など報告がされました。海外からのビデオメッセージも24日と同様に紹介されました。
 集会は熱気と共に終了しました。今回会議に参加し、各地各国で運動をされている方々と知り合うことで、この問題を解決するという連帯感を感じることができました。問題解決の希望を持ち続けていくことが大切だと思います。





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プロフィール

「慰安婦」問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会

Author:「慰安婦」問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会
・・・
2008年8月3日、「シンポジウム/私たちに何ができるか~若者たちと考える『慰安婦問題』」を大阪市内で開催しました。140名近くの方にお集まりいただき、熱い意見交換が行われる感動的な集まりとなりました。集会後、もっとこの活動を続けたいとの声があがり、このblogの立ち上げに至ったものです。

現在は、関西を中心に、国に慰安婦」問題の解決を求める地方自治体からの意見書可決をすすめる取り組みを行っています。

本blogが、「慰安婦」問題の解決に向けた情報・意見の場としてお役に立てれば幸いです。

なお、コメントの紹介は承認制としています。管理者が、このフォーラムの趣旨にそわないと判断した場合には、これを表示しません。あらかじめご了解ください)

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