ランラン☆カンカンのアンダーカバー大作戦

2009/01/15

第87回選手権*岐阜工 対 野洲*レポ*1回戦*

1月12日。国立競技場。
鹿児島県代表「鹿児島城西」対広島県代表「広島皆実」の決勝戦は、広島皆実の初優勝という結末をむかえました。
12月30日の開会式からわずか14日間、48校が「負けたらすべてが終わる」戦いを繰り広げ、46校が国立のピッチに戻る事なく去っていったわけですが、開幕戦で敗退した一条以外の47校がまだ希望をつないでいた、1回戦まで遡っての「今さら」なレポです。

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2008年12月31日。快晴の等々力陸上競技場。

3年前の1回戦・2回戦、このピッチで勝つことによって「セクシー」を身に纏い始めた野洲…優勝したあの時のチームに憧れ入学してきた選手たちが、最上級生となって「縁起のいい」等々力に戻ってきました。
目標の一つに「優勝した84回大会のチームを超える」ことを掲げて。

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チームをピッチレベルで支えるのは、36番・伊藤優矢(FW)と44番・森下正基(GK)、共に3年生。
折り鶴で作られたYASUフラッグをベンチに掲げ、続いてなにやらパウチッコされた3枚の紙をぺたぺたと張り付けています。それはなに?って取材もされてたけど、遠目には写真がいくつかプリントされた「弁当屋さんのメニュー」(笑)←大間違い

「日本一のマネージャー」を目指す二人の背後では、大きな野洲カラーの波がうねり始めていました。バックスタンドいっぱいの野洲フラッグをサッカー部員たちが広げる中、両チーム選手の入場です。

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第87回全国高校サッカー選手権大会 1回戦
2008年12月31日12:05K.O.@等々力陸上競技場/4300人
40分ハーフ
岐阜工(岐阜) 0-1(0-0,0-1)  野洲(滋賀)
[得点]
79分:坂本一輝(野洲)
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ああああーーー!ラン☆カン最高のお楽しみ「集合写真撮影タイム」がないーー!!!!(号泣)カメラマンさんたち!もっと食い下がって主審に抗議して!…と思ったのですが、初戦に挑む緊張感の中、すでにピッチでウォームアップに余念がない高校生たちを、強引に集合させることはためらわれたようです。残念…

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*野洲スタメン****写真の並び順に左から
3DF 西口 諒[3] AC SFIDA
4DF 端山亮平[3] YASU club U-15
1GK 横江 諒[3] セゾンFC
--
14FW 梅村 崇[2] セゾンFC
23MF 松田康佑[2] 京都サンガF.C.U-15→79分:21MF 梅村 徹[2] セゾンFC
2DF 福本匠吾[3] YASU club U-15
--
10FW 坂本一輝[3] 石部中
7MF 藤野友貴[3] セゾンFC→51分:15MF 卯田堅悟[2] セゾンFC
8MF 潮入啓太[3] セゾンFC
--
11MF 松永俊吾[3] 京都サンガF.C.U-15
9MF 上田大輔[3] セゾンFC→65分:12FW 福原拓己[3] YASU club U-15

県予選の時から中盤の選手をいろいろ入れ替えていた野洲、23番・松田康佑をいきなりスタメンに持ってきました。2・3日前に決まったばっかりという噂も…毎年ファンどころかチーム自身まで欺く、魅惑の采配いきなり炸裂(笑)

*岐阜工スタメン****
12GK 山田健太[2]
2DF 福川和宏[2]
3DF 栗田真吾[2]
4DF本田拓也[2]
5DF 鹿野潤哉[3]
6MF 堀江敏史[2]→50分:14DF 森 周也[3]
7MF 名和貴大[2]
8MF 藤掛翔成[2]
9MF 高橋祥平[3]→69分:17MF 中島弘樹[3]
10FW 田中義樹[3]
11FW 藤岡幹久[3]→79分:25FW 山崎貴雅[2]

今季の練習試合3戦では1勝2分け、野洲に対して少なくとも苦手意識はないだろう岐阜工は、2番から12番までび〜っちり揃ったキレイなスタメン。そして11人中7人が2年生!ベンチにずらりと並ぶのが3年生という、下克上なチームです。


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さあ、負けたらこのピッチで終わり。

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糸をひくように弾け、また縒り集まり、手をつなぎ呼吸を合わせて1回ジャンプ。彼らの意識がピッチの中、縦横無尽に繋がったままでありますように。

野洲のフォーメーションはいつもの3バック。こんな感じ?
      1.横江 諒
2.福本匠吾 4.端山亮平 3.西口 諒
  23.松田康佑 11.松永俊吾
7.藤野友貴 8.潮入啓太 9.上田大輔
      14.梅村 崇
     10.坂本一輝

きつい光線。強風。バックに両校の応援団、メインスタンドにはぎっしりと「あの野洲」の目撃者になろうと、待ち構える人々…いよいよ野洲の選手権1回戦キックオフ、です!

っていきなり岐阜工、直接FKのチャーーーンス!(汗)

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よこりょう@横江くんが最初のピンチをがっちり摘み取って始まったこの試合、なんと前半20分ぐらいまで両チームとも「セットプレーたこ殴り合戦」っつーか「CK時々ミドル、ところによりカウンター、オフサイドに注意」状態。

野洲は基本的にドイスボランチから前の合計7人がボールをつなぎ合って、縦横無尽に敵陣へと攻め込んでいくのですが、そんな事ご近所さんの岐阜工は百も承知。野洲の両ワイド・藤野くんと上田さんが臨機応変にポジションを入れ替えてサイドからドリブルを仕掛ければ瞬く間に挟み込んでボールを奪い、アイデアの宝庫・潮入くんのスルーパスをことごとく阻んでしまいます。

そしてボールを奪ってからの展開が速い!少ない手数…っつーか足数で、あっという間に野洲の最終ラインを突破してくる岐阜工、結局前半5本のシュートを放ちCKは8本、終了3分前にはポスト直撃のシュート!…入らないのが不思議なくらい…いっそのこと入ってくれた方が野洲のみんなも開き直れるんじゃないか…そんな弱気になっちゃうほど、セットプレーに危険なミドルも織り交ぜた効率的かつ効果的な岐阜工の戦術です。

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去年の12月24日、日本代表に初選出されちゃったたかし@乾貴士の
「(母校の山本監督に選出の報告は?)はい、しました。どんな感想だったかは分からないのですが、野洲が青森山田と試合をしていて、負けた後だったので、機嫌がちょっと…(苦笑)」
というコメントで、大会寸前に調子を落としてたのかなあと気になっていたのですが…結局FKは直接4回と間接1回のチャンスがあったものの、シュートは「今回もシャツがずるずる出ていて主審に注意された」上田さんの1本、CKも右からりんごほっぺな端山くんが1回だけ。復調しないままこの日をむかえちゃったのかもと思わされるような前半の40分が、やっと終了しました(汗)

でも、バックに陣取るサッカー部員を中心とした応援団は、旗ふりにビッグフラッグに声出しにと、本当にがんばっています。この大会からはよこりょう@横江くんがゴールキックのモーションに入る際「うほっ!うほっ!うほっ!」と、謎の雄叫びで盛り上げるシーンも…気分はサファリパーク(爆)

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もやもやさせられた分「野洲らしいプレー」の目覚めに期待のかかる後半。
ことごとく不発だったとはいえ、徐々にパスのつながる回数が増えてきた野洲、最終ラインでふんばるDF3人と「ナイスキー!」を連発したよこりょう@横江くん、そして攻守の切り替えに奮闘していた松永くんのためにも、先制点を奪ってほしいところ。そろそろ藤野くんものってきたかな…という後半10分、くるくる@卯田堅悟と交代です。

確かにこの試合、藤野くんのドリブルはなかなか敵陣の中へ侵入する事ができませんでした。
9月、西が丘で見た市立船橋戦@高円宮では、スタンドから笑いがおこるほど意外性に溢れ自信に満ち、なにより楽しそうだった藤野くんがすっかり毒気を抜かれたみたいに見えるのは、髪を切って前髪を下ろしたせいだけじゃない気がします。
くるくる@卯田くんと握手をかわし、ベンチの山本監督にも手を差し伸べ、大人しく引っ込んでしまう藤野くん…いや別に暴れてほしいわけじゃないんだけど(笑)

前半、この藤野くんと潮入くんが手袋を外したのですが、2人ともきちんとそろえて手首で折り返しバラバラにならないようタッチラインの外へ放り投げたのを見て、びっくりしたのも事実。2年前、チームきっての「ご機嫌状態ダダ漏れ男」だったこーへい@山田晃平(現・大阪経済大)がピッチの中に「むきーーっ!」と投げ捨てていったのを思うと、隔世の感があります(笑)

♪野洲高なら手を叩こう 野洲高なら手を叩こう 勝ちたいなら態度で示そうよ ほらみんなで手を叩こう♪ 

バックスタンドから響く、ピッチに立てないチームメイトたちの歌声…。
今このスタジアムの中、自らの信念とプライド…わがままと紙一重だけれど…をもってチームのバランスを「いい意味でも悪い意味でも」不安定にする「野洲高サッカー部員」は誰一人いないようです。
優勝したチームが最後まで「危うさの中で瞬間的につながっていく事のカタルシス」を強みにしていたとすれば、このチームは「同じレベルで信頼し合うという思いの力でゲームを支配していく事」が魅力のひとつなのかもしれません。

それでもこの試合、前半とばした岐阜工は運動量が若干落ちたとはいえ守備陣はあわてず奮闘、つんのめりそうな期待をもって観客が見つめる野洲の描く複雑華麗なボールの軌跡の数々は、ため息をのせたままゴールマウスに収まることができずに、じりじりと時間が過ぎていきます。
高円宮・市船戦での笑っちゃうほど幸せなチームはどこへ?
潮入くんのひらめきの先にいるはずの、選手たちはどこへ?

「後半は体を張っての奇跡的なディフェンスがあった。そこでPK戦になってくれたら、とどこかで思ってしまった。」@岐阜工・清本勝政監督

対する野洲はさらに交代を重ね、坂本くんとムードメーカー福原拓己の2トップに変更。松永くんを中盤の底に1人おいて、なんとふたごちゃん@梅村崇&徹が公式戦初の揃い踏みです!と「ふたご萌えー!」とか盛り上がった直後…
よこりょう@横江くんのパントキックを潮入くんが「呼ばれて、見えていたので出した。」とそのままヘディングでディフェンスラインの裏へ送り、坂本くんが抜け出し…シュート!

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後半39分。そう、終了まで残り1分。
坂本くんゴール!!1-0!野洲、先制点です!

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高校選手権は決勝まで40分ハーフ・延長戦なし・即PKという決まり。優勝した大会の準々決勝で大阪朝鮮とPK戦までもつれているけど、どうも「野洲がPK得意」な気はしません。
「練習試合を通しての相性の部分もあるし、PK戦にはしたくなかった。だからシステムを3バック1ボランチにして2トップに変更した瞬間、ゴールが決まった」@野洲・山本佳司監督

先頭を走るりんごほっぺ@端山くん、諸手を広げる福本くん、我慢し続けた守備陣が本当にうれしそう!

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ロスタイムは約4分。けっこう長いじゃん(涙目)と思っていたら、1点とった野洲はそこからいつもの余裕が出てきて、オフサイドの笛を無視してシュートを打った坂本くんがイエローを喰らうというおまけがつくほどのってきました…って遅いよ!!

そして「野洲の初戦突破」を告げるホイッスルが、等々力競技場に響きわたります。

左でチームメイトをむかえるキャプテンにしぐー@西口くん。…よかったよぅぅぅぅぅぅぅ…ほっとしたよぅぅぅぅぅぅ!

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まだ見ていられる。まだこのチームを応援していられる。
想像以上の苦戦だったけれど「高円宮で魅せてくれたあの野洲」を、全国のお茶の間へと電波に乗せて届けなくちゃ!

「仲間からいいパスがくると信じて走っていた。それまでシュートを何本も外して焦っていたし、正直PK戦も頭をよぎっていた。でもゴール前の落ち着きはこの1年で自分が成長したと思う部分。落ち着いて決められました」@10番・坂本一輝
かならずチームのために結果を出してくれる、野洲っぽくない野洲っ子。頼れるフィニッシャーです。

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自信に満ちた上目遣いが、なんだかキュートな(笑)にしぐー@西口くん。握手をしているのは、岐阜工の監督さんではなくコーチ。監督さんとはすでに挨拶済みです。
「後半はうまくいかず、PKになってくれたらとどこかで思ってしまった部分があり、そこがまだ私の甘さなのかもしれない。自分たちはボールを奪った後のパスコースが限定されているが、野洲はバリエーションが多い。もっと焦らせてペースを乱したかったが、同じ事を貫いてきたのはさすがだと思った」@岐阜工・清本勝政監督

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体を張ったシュートブロックとか、奇跡的な守備を見せてくれた…と瀬戸際で踏ん張れる力を監督が評価する岐阜工。2年生が多いながらも落ち着いたプレーで79分間、野洲を追いつめ、80分間戦い抜きました。

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このピッチでうなだれることになったのは、彼らの方だったかもしれない…本当にぎりぎりの勝利、最後の最後にやっとつながった1本のパスでした。

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1回戦ではピッチに立てなかった3年生、6番・けいちゃん@中川圭右、13番・松原賢志、18番・林晃佑。中川くんは高円宮でスタメン出場していた選手です。次の鹿島学園戦で、彼らにもチャンスがめぐってきますように…

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マネージャーの伊藤優矢と喜びを分かち合う、決勝点へのパスを出した8番・潮入啓太。
彼の笑顔が、彼のパスが、このチームを未来へとつないでいきますように…


初戦の高揚感と不安感、なにも手助けできないスタンドのファンは、この狭間にあって一喜一憂しっぱなし!
それでもドリブルをスタートさせる度、ヒールパスを通す度、感嘆とため息を吐き出そうと期待に身構える人々の「熱」を「勇気」にかえ、彼らが受け取ってくれたらいいなと、願っています。
「選手権の舞台」でプレーをするということは、自分自身が持つ「他人をすら巻き込むエネルギー」を解き放つチャンスを与えられたということなのだと思うから。

そう、こんな笑顔も含めて。

*******
いつもは絶対に試合中のメモなんぞとらないランラン☆カンカンの中の人たちですが、今回KANKANが初挑戦した時系列のメモを参考にこのレポを書いてみました。っつーか、ありがとうKANKAN!もう二度とメモはとらないという気持ちは、よ〜くわかります(笑)

*写真つきレポ**
第87回高校選手権 1回戦*野洲対岐阜工レポ→★その1

第87回高校選手権 2回戦*野洲対鹿島学園レポ→

開会式レポ→

滋賀県予選3回戦レポ→
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