NEXT 未来のために「チームパンダ 絶滅危惧種を育てる」 2015.04.29


去年12月和歌山で双子のジャイアントパンダが生まれました。
パンダはその半数近くが双子で生まれます。
2頭を抱く母親。
しかしこれは…強い1頭だけを選んで育てるからです。
パンダは世界に2,000頭余りしかいない絶滅危惧種。
その数を増やすため2頭を共に育てようとする現場に密着しました。
(鳴き声)体重およそ180グラムの双子が生まれたのは12月2日。
子育てを支える6人の日本人飼育係と中国から来た2人の研究員から成るチームパンダが結成されました。
24時間付きっきりで自然界にはない2頭の子育てをサポートします。
次第に大きくなる母親パンダへの負担。
子どもをくわえ時に荒々しい姿を見せる事も。
(熊川)ラウ!ラウ!帰ろう!ラウちゃん!良浜!絶滅危惧種パンダを育てる日々を見つめました。
今日の舞台は太平洋に面した和歌山県白浜町にある動物公園です。
開園前にこの人だかり。
目指すのはもちろんパンダです。
(笑い声)お父さん!パンダさんササ食べてる。
民間の動物公園アドベンチャーワールド。
親子のパンダ7頭が暮らしています。
この5年間に生まれたパンダは5頭。
中国以外の動物園では一番多く生まれています。
赤ちゃんパンダがいるのはこの建物。
子育ては感染症のおそれが少なく冬場でも20度に温度管理された室内で行われます。
パンダ飼育歴はおよそ10年。
赤ちゃんの健康状態の確認や授乳に加え母親パンダとのコミュニケーションもこなすエキスパートです。
双子の母親…どうぞ。
熊川さんは赤ちゃんに母乳を飲ませるタイミングを見計らっていました。
どうした。
今日はご機嫌さんだね。
1頭目の赤ちゃんが檻に入れられました。
母乳を飲ませる時間は20分から30分。
もう一人の飼育係が何かを準備し始めました。
ハチミツです。
(鳴き声)良浜がハチミツに気を取られた隙に赤ちゃんを取り出すのです。
でも母乳を飲んだのはまだ1頭だけです。
もう一頭を檻の中に入れます。
再び現れた我が子を見て立ち上がる良浜。
また母乳を飲ませようとします。
自然界にはない2頭の子育てをするため赤ちゃんを入れ替える。
人が関わる事で2頭共に十分な母乳を与える事ができるのです。
お乳の場所が分からないと…?すかさずアドバイス。
閉園後の夕方6時。
チームパンダの一日1度のミーティングが開かれます。
これから夜勤に就く飼育係。
中国人研究員も加わります。
人工乳は今のところ30グラムできてますけど…。
餌をきちんと食べているか体調に変化はないか全員で情報を共有します。
良浜が眠りについたあと中国の研究員が赤ちゃんの世話を始めます。
自分でおしっこができない赤ちゃんのおなかを刺激します。
続ける事15分。
ようやくおしっこが出ました。
生後2か月を過ぎた頃からは授乳も始めます。
赤ちゃんは3,000グラムまで成長し良浜の母乳だけでは賄えないからです。
この日翌朝までの見守りを担当するのはパンダ飼育歴3年の渡部あずささん。
良浜の様子を確かめていました。
ぐっすり眠っています。
赤ちゃんも…異常なし。
双子の赤ちゃんが生まれてから半年間24時間体制の見守りが続けられるのです。
暖かな日ざしが降り注いだこの日。
良浜以外のパンダたち。
外に出て思い思いに過ごしています。
一方室内での子育てが続く良浜。
熊川さんには気がかりな事がありました。
(取材者)食事の時もやっぱりモニター確認…見てらっしゃるんですか?ラウ。
チームパンダは良浜に少しでもたくさんの竹を食べさせようとしていました。
2頭の赤ちゃんが十分に母乳を飲めるようにするためです。
子育ての間一日に必要とされるのは通常の1.5倍。
20キロ余りの竹です。
しかし食べてばかりの良浜。
飽きてしまったのか一口だけであとは残してしまいました。
熊川さんは園内にあるパンダ用の竹林に向かいました。
葉がほとんどついていない竹を選んで切り出しています。
いつもと違う茎の部分なら食べてくれるのではと考えたのです。
ねらいは的中。
食べ始めました。
しかししっかり食べたと思ったのもつかの間。
竹を残しがちな状況がこのあとも続きました。
更に2月中旬予想外の事が起きます。
中国の研究員が急きょ帰国する事になったのです。
これまでは中国の研究員が中心になって行ってきた哺乳瓶での授乳。
いい感じ。
ちょっとやや熱。
熊川さんの指導の下飼育係だけで行う事になりました。
赤ちゃんの抱き方やげっぷの出し方哺乳瓶の角度からミルクの温度まで手順を1つずつ確認していきます。
研究員が中国に帰った日の夜。
授乳を担当したのは渡部さんでした。
ミルクをくれる人が代わって嫌がる赤ちゃん。
良浜も気になっている様子…。
5分後。
はいいいですねいいですね。
そうそうそう上手上手上手。
いいですね。
でも…。
どうしたどうした?1回ちょっとげっぷさせてあげよう。
げっぷがうまくいきません。
よしよし…。
落ち着いた?改めて熊川さんが手本を見せます。
はい終了。
よかったよかった。
飲めた。
ああいいね〜。
無事授乳が終わりました。
いっぱい飲めました。
上手に飲めました。
途中から一気飲みだった。
急にスイッチ入りましたね。
2月下旬。
良浜に異変が現れました。
突然赤ちゃんをくわえ振り回し始めたのです。
ラウちゃん。
良浜が赤ちゃんを下ろした隙に手を出そうとします。
赤ちゃんが自力で逃げようとした…その瞬間。
更に数日後。
赤ちゃんをまたくわえます。
熊川さんがハチミツを塗った皿で注意を引こうとしますが見向きもしません。

(鳴き声)夜良浜は鳴いていました。
(鳴き声)
(鳴き声)寝ていいですよ。
鳴き続ける良浜。
熊川さんにもめったに見せる事のない姿です。
(鳴き声)自然界では2頭のうち1頭しか育てないパンダ。
熊川さんはさまざまなストレスが良浜を襲っているのではないかと感じていました。
熊川さんは掃除道具を手に動き出しました。
室内にいた3か月間出る事がなかった屋外の運動場。
中でも一番のお気に入りは遊具の上。
良浜をここへ連れてきたいと考えたのです。
(取材者)それは何でですか?そして午後3時。
良浜出します。
熊川さんは屋外への扉を開きます。
ラウおいで。
お外行こう。
ラウ。
ラウ行っといで。
行っといで。
「え〜」って言ってるわ。
「え〜外?」。
行っといでよ外。
開けっ放しにしといてあげるから。
置いてきた。
おやつも。
おいしいよ〜。
3か月ぶりに浴びる太陽の光。
お気に入りの場所へ向かいます。
久しぶりにゆっくりくつろぎます。

(熊川)ラウちゃん?ラウ!ラウ!帰ろう!ラウちゃん?良浜!ラウちゃん!ラウ!一切聞こえませんね。
夕方6時。
良浜は誰もいない運動場で目を覚ましました。
優しく赤ちゃんを抱きかかえています。
その後も外での時間を繰り返し以前の落ち着きを取り戻しました。
(熊川)もういいの?今日はラウちゃんだっこしない?座って。
座って。
ラウちゃん座ってごらん。
よし。
よし。
よし。
手どけて下さる?手どけて下さる?いいもう子どもいりませんって。
落ちる落ちる落ちる…。
うっうっうっおいしょ。
重たいよ。
生まれて4か月。
子育ては檻に囲まれた場所から屋内の運動場へ移ります。
体重が7キロを超えた赤ちゃん。
歩けるようになりました。
掛けがえのない命を絶やさないための2頭同時の子育て。
チームパンダと良浜の挑戦は続きます。
この2頭の双子のパンダ元気いっぱいに誕生しました。
順調にすくすくと成長しております。
2015/04/29(水) 13:05〜13:35
NHK総合1・神戸
NEXT 未来のために「チームパンダ 絶滅危惧種を育てる」[字][再]

和歌山で双子のパンダの赤ちゃんが生まれた。その飼育の現場に初めてカメラが入った。知られざるパンダの子育て、チームパンダの奮闘の日々を追った。

詳細情報
番組内容
世界に2000頭しかいない絶滅危惧種、ジャイアントパンダ。自然では、双子が生まれても強い1頭だけを選んで育てる。和歌山の民間の動物公園では、自然界では見られない「2頭の子育て」に挑んでいる。結果、母親パンダにはストレスがかかる。チームパンダは、母親に声をかけ、エサなどを気づかい、代わりに授乳したりおしっこの世話をしたりしながら、母親を支える。初めて目の当たりにした「舞台裏」には、愛情があふれていた
出演者
【語り】松下奈緒

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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