シリアの活動家らは、ソーシャルネットワーク上である手紙の文面を配信した。それは、数百人の不法移民を乗せた船が地中海に沈没した後に回収されたシリア難民の亡骸のうち、一人のポケットから見つかったとされるものである。移民らは今週初めにヨーロッパの海岸に到着することを目指して、航行中だった。
活動家らは、自分が乗っている船がもうすぐ沈むと気づいた時に書かれたであろう、この最後の別れの手紙を所有していた人物の身元に関する情報を明らかにしていないが、個人ページで拡散されている手紙の文面に、下記の感動的なテキストを付け加えた。「文明化した世界へのプレゼント…彼は死から逃げ海に抱きかかえられました…私はみなさんに読むことを勧めますが、どうか泣かないでください。シリアの人々のために流された涙は、乾ききっているのですから」。
これは、アナトリア通信が掲載した手紙の文面として、活動家らが取り上げているものである。
「ごめんなさい、お母さん。僕らの船は沈みそうで、あちら(ヨーロッパ)にはたどり着けない。旅費を支払う為に借りたお金を送ることもできない(ヨーロッパ行きの密航料は、出発国や船の状態、仲介人の数といった様々な要因によって1000~5000ユーロの間で変動)。私の亡骸が見つからなくても、お母さん、悲しまないでください。死体がなければ、輸送や埋葬、葬儀の費用がかからなくて済むのですから」。
「ごめんなさい、お母さん、戦争が起きて、僕は他の人々のように旅立たなければならなかったんだ。僕の夢は他の人のように大きくはないと知りながらも。お母さん、あなたがご存知のように、僕の夢はあなたの腸の薬箱ほどの大きさで、歯の治療代ほどの値段でしかない。ところで、僕の歯は今、緑色です。歯にひっつく藻のせいです。けれども僕の歯は、独裁者(バッシャール・アサドを示唆)のそれより美しい」。
al-Quds al-Arabi紙(2015年04月23日付)/ 翻訳:中山実佐子
■本記事は「日本語で読む世界のメディア」からの転載です。
知のネットワーク – S Y N O D O S -