「たかひなの笑顔に元気もらってるヤツもいるぜ」。
「東北発☆未来塾」応援団長のサンドウィッチマンです。
どうも。
今回はですね演劇のチカラ集大成ということで塾生たちがつくった演劇が福島県いわき市で公演されます。
でもさ福島の問題を劇にするわけでしょ?福島の人が見る意味あんのかね。
お前今頃そんなこと言ってんの?お前今まで何見てたんだよ。
お前のことだよ。
さあ今回の講師平田オリザさんは今起きてることを劇にして当事者に伝えることに大事な意味があるっていうんです。
恐らくそのことがなんかよく私たち魂を浄化するというふうに言いますけど…へえオリザさんいいこと言うね。
ね。
お前これまでの演劇のチカラで教えてただろいろいろ!お前何見てたんだよ!お前だけだよ。
もうサンドさん!ミニコントはそのくらいにして塾生たちのチカラの入った演劇見て下さいよ。
皆さん頑張りましょう!
(全員)おう!
(テーマソング)塾生たちがつくった演劇は福島県いわき市のいわき総合高校で公演されます。
講師の平田オリザさんがこの高校を会場に選んだのにはわけがあります。
部長?…こんにちは。
(全員)こんにちは。
いわき総合高校演劇部です。
…演劇部です!やる気満々の演劇部があるんです。
客席の設営から照明音声まですべて手伝ってもらいました。
今回公演を行なうのはこちらの2チーム。
被災地福島が抱える問題を取材して15分ほどの演劇をつくりました。
「ああ!面白そうですねぇ」。
本番3時間前最終チェックをするオリザさん。
1チームの演劇を見ているうちに表情が厳しくなってきました。
チーム赤べこは仮設商店街をめぐる人々の思いをストレートに演劇にしたつもりだったんですが…。
あのさホント君たちはさそこそこの知能を持っていてさいろんなことをさちゃんと学んできたはずなんだけどさぁムダなものを入れるのがとても下手なんだよね。
10か所以上もダメ出しを受けた塾生たち。
本番まであと2時間です。
忙しい時ほど時間はあっという間に過ぎるもの。
公演30分前には続々とお客さんがやってきて80人収容の客席はすぐに満員御礼です。
2チームとも塾生たちの思いがこもったラストシーンに注目です。
まずは「チームらふ」から。
実はこのストーリーは原発からの避難者である塾生佐藤真喜子さんの体験談がモチーフになっています。
受け入れ先の高校になじめずこの3月に中退した真喜子さん。
避難者と地元住民の軋轢に悩み続けてきたといいます。
今回の演劇に懸ける強い思いがあります。
前から。
前からっていうか震災の後。
タイトルは…いよいよスタートです。
(拍手)「なんだっぺこれ散らかして〜」。
「そりゃあいつだあのあれ」。
「あの福山さんとこの…」。
舞台はいわき市のとある集会所。
避難してきた人と地元の住民が交流のためお祭りを開こうと企画しています。
「祭りの実行委員だか何だかあんたも大変だねぇ」。
「いや役場の方で予算もつけてくれちゃったし今更どうしようもねぇべな」。
「私のほうも婦人会の出店で『いかにんじん』やるってことになってっけど味付けから何から向こうとは違うしもめたりすっかもしんねぇべ?浜の人同士頑固だからさぁ」。
ここに真喜子さん演じる新聞記者が東京から取材にやってきました。
「具体的にはどういったお祭りなんですか?」「こちらの町で有名な獅子と…」。
「あの獅子舞の」。
「私の町で有名な騎馬。
馬。
これを組み合わせて馬に獅子が乗って町を練り歩く『ししうまい祭り』そのようなお祭りになっています」。
「ししうまい?」「獅子舞と馬で『ししうまい』」。
「あ面白そうですねぇ!」
(笑い)「それでお祭りの資料なんかを頂きたかったんです…」。
「ああわすっちゃ〜」。
・「ねえお母さん!」「あらひなちゃんどうしたの?」「送ってってって言ったじゃん!友達と遊ぶ約束してたのに」。
「ごめんごめん」。
避難者の娘「ひな」は友達のことで複雑な思いを抱える高校生です。
「…絶対怒ってる」。
「ジーザス。
えったかひな?なんで?」
(笑い)ここにロックをこよなく愛する地元の青年が登場。
この青年にひなはこれまで誰にも打ち明けたことのない心の内を語り始めます。
「それも誰かの名言?」「ニール・ヤング」。
(笑い)「はぁ。
あの祭りだって絶対失敗するに決まってる。
そんなのを一生懸命やってさお母さんもバカみたい」。
「エンジョイ!この世はさ楽しんだもん勝ちなんだよ。
だから俺は楽しみたいし楽しませたい」。
「私だって楽しみたいけどさまきちゃんが」。
「まきちゃん?」「幼なじみのまきちゃん。
ずっとここになじめないって悩んでてさ相談してくれたのに私な〜んもできなくて結局さまきちゃん学校辞めちゃった」。
「そのあとどうしたの?」「バイトしてる。
平のファミリーマーケットで」。
「へえ〜」。
「何かさまきちゃんのこと思い出すとあれ?私だけ笑ってていいのかなって」。
「すみませんお待たせしてしまって〜」。
「皆さんは?」実はこの新聞記者祭りの取材と称して避難者と地元住民の軋轢を聞き出そうとたくらんでいました。
「あの…ひなちゃんだったよね」。
「はい」。
「ちょっと取材してもいいかな」。
「早速なんだけどあの変なお祭りあんじゃん5月に開催予定の。
あれどう思う?」「どうって言われても」。
「やりたくないな〜とかダサイな〜とか」。
「ああお菓子食べちゃったのわすっちゃあ」。
「あどうも…」。
地元住民のタマばあちゃんは新聞記者の意図をすぐに見抜きます。
「でひなちゃんもさなんかこう小熊町出身だってことだけれどそれをこう友達とか周りとかに言いづらくなかった?」「いや…」。
「あのねぇあだしらにはあだしらの考えがあんの。
それを東京から来てワーワー言うもんでねえんでねえのけ?お互い今すぐ仲良くってわけにはいかねぇかもしんねぇけど一緒にいかにんじん漬けたりぐらいはできんじゃねえのかなって思うんだよねぇ。
「やっぱり『人類皆兄弟』って感じ?ばあちゃんロック分かってんな」。
「んだべ?」
(笑い)「藤原さんお待たせしてしまって」。
「どうも先ほどは失礼致しました」。
「夕方からはあの実行委員の集まりもあっから早く取材済ましちまわねぇと」。
「ここで?あらあら…」。
「じゃああのお二人ではなく皆さんにお話を伺っていきたいと思いますので…の前にちょっと集合写真を撮らせて頂いてもいいですか?皆さんの写真を」。
(ひな)「うちいい」。
ラストシーンは観客を背景に集合写真を撮ります。
原発事故が人々の間に生んでいる軋轢を全員で乗り越えてほしいとの願いを込めました。
「はい撮りま〜す。
はい!」
(みんな)「ししうまい!」
(拍手)続いてはオリザさんの指摘でセリフを修正していたチーム赤べこです。
修正は間に合ったんでしょうか。
(拍手)「ごちそうさま」。
「あいよ」。
新しい商業施設への申し込みの締め切りが迫る中仮設商店街の食堂を舞台に繰り広げられる物語です。
ケーキ屋さんを営む鶴ばあは仮設商店街の閉鎖を機にお店をやめる決断をしています。
・「こんにちは〜」。
「あ里美さん」。
行政担当者の里美は新しい商業施設に商店街のお店があまり入ってくれず悩んでいます。
「ごめんなさいねうちは入らなくて」。
「いやぁしょうがないよ。
新しいお店の準備は進んでる?」「まあ土地の整備も終わったしお金も借りられたしあとはやるだけっすよ」。
「そっか。
頑張れ」。
「お久しぶりです!」「おおハルちゃんじゃん!」「久しぶり!いつ帰って来たの?」「昨日帰ってきました」。
久々に帰省してきた大学生のハル。
子供の頃から慕ってきた鶴ばあがケーキ屋をやめることを受け入れることができません。
「え?どういうこと?鶴ばあのこと見捨てるってこと?」「いやそういうわけじゃないんだけどさ」。
「里美さんちゃんと偉い人に話ししてくれたんですか?」「話したよ。
でも町全体の復興を考えるとみんなの意見は取り入れらんないんだよね」。
「そんな町全体のことって鶴ばあとか町の人の意見取り入れないで復興って言っていいんですか?」「それは言いすぎだろハルちゃん」。
「ちょっと私鶴ばあのこと呼んでくる」。
「こっちの苦労も知らないで。
なんなの」。
「でもハルちゃんの言いたいことも分かるけどなぁ」。
「どういうこと?」「予算があるならあんな施設つくるよりここを存続させるために使ってくれてもよかったんじゃないかななんて」。
「それで例えば10年続いたとしてその後はどうするの?でっかい商業施設をつくって若い人を呼ばないと町は続いてかないよ」。
「おじさんとんかつ定食」。
店をたたみふるさとを去ることを心に決めた鶴ばあはとびっきりのケーキを作っていました。
「なんか鶴ばあ東京行くかもしれないって」。
「東京?」「うんなんか息子さんに呼ばれてるらしい」。
「まあ1人暮らしだもんなぁ」。
「鶴ばあどうするんだろうね…」。
「たっちゃ〜ん」。
「あ鶴ばあ」。
「こんにちは」。
「あケーキ」。
「ちょっとたっちゃん上のやつよけて早く早く」。
「あれ?ケーキどうしたの?」「あら。
今日はこばちゃんの誕生日だっぺよ」。
誕生日入学卒業この町の人たちは昔からちょっと甘すぎる鶴ばあのケーキで祝ってきました。
「やっぱり誕生日は鶴ばあのケーキがいい。
鶴ばあケーキ屋やめないでよ」。
「う〜ん…」。
「まぁ今日はねこばちゃんの誕生日だからみんなでお祝いしてあげっぺね」。
慣れ親しんできたケーキを最後に味わう直前で幕は降ります。
仮設商店街の人たちの行く末を想像させるラストシーンです。
・「ハッピーバースデートゥーユーハッピーバースデートゥーユー」
(皆)・「ハッピーバースデーディア小林さんハッピーバースデートゥーユー」
(皆)おめでとう。
(拍手)演劇で描いた問題の当事者でもあるいわき市の人たちに感想を伺いました。
私たちあの今度災害被災地の人間それから地元に残って生活を営んでる人間にとって非常に感心させられるものがありました。
中には厳しい指摘もありました。
前半のほうの演劇実は…えっと演劇はとても難しいところがあって多分少し…本当にそれぞれがそれぞれの問題を抱えてご苦労はなさってると思うんですが一方で生活もなさってるわけですよね。
当たり前のように。
もうそれは震災直後と違って日常を取り戻しつつ。
それで面白いことがあれば笑うし悲しいことがあれば泣くし。
で僕はその日常の中にしか希望はないと思っているので。
そのことをちょっと感じ取って頂けたらなと思っています。
冷や冷やはしたけど温かい言葉をかけて頂いてまずひとつ安心。
ほっとして。
演劇のチカラを初めて知りましたね。
考えてもらえたんだなっていうのがあって私は結構大満足です。
いや大変でしたね。
お疲れさまでしたホントに。
僕らも勇気は頂きましたよ。
これね。
これから俺たちもコント頑張っていかなきゃね。
頑張りましょう。
じゃあ次書く台本は期待できそうですねこれ。
テーマも浮かんでますよ。
浮かんでんの?なになに。
獅子舞の上に馬が乗って「うまっし〜」っていう。
パクリじゃないかお前!お前今まで何見てたんだよ!お前だけだ。
今後ね演劇の道を目指す塾生もいるみたいだし頑張ってほしいですね。
そうですね。
実憂ちゃんは先輩女優としてどうでしたか?演劇はまだやったことないんですけど人に何かを伝えることが大好きなので私も挑戦してみたいなと思いました。
(テーマ音楽)2015/04/27(月) 23:00〜23:20
NHKEテレ1大阪
東北発☆未来塾 演劇のチカラ▽教えてオリザ先生!生きる希望ってどこにあるの?[解][字]
劇作家・平田オリザさんの指導の下、被災地の現状をベースに福島の学生たちが自作した演劇を公演する。しかし、本番直前、オリザさんのダメ出しが…MCサンドウィッチマン
詳細情報
番組内容
塾生は2チームに分かれて15分ほどの演劇を制作し、自ら演じる。「チームらふ」は東京電力福島第一原発から避難生活をするメンバーの体験をベースに、避難者と受け入れ側の人々との心の交流を描く。「チーム赤べこ」は、閉鎖される仮設商店街の人々と行政の思いのすれ違いを描く。MCのサンドウィッチマンも感動!ナレーションを担当する女優・吉本実憂も舞台に憧れる!講師の劇作家・平田オリザさんが教える希望の在りかとは?
出演者
【出演】劇団青年団主宰…平田オリザ,【キャスター】サンドウィッチマン,【語り】吉本実憂
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
劇場/公演 – 現代劇・新劇
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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