野洲高校vs綾羽高校
決勝戦の相手は、初めて決勝戦に駒を進めた綾羽高校。 昨年のインターハイ予選での敗戦しましたが、今年のインターハイ予選で勝ってリベンジを果たしています。
固いDFで守りきって、80分絶えることのない強烈なプレスでボールを奪取して鋭いカウンターで効率的に点を取る という戦術が徹底していて何気に怖いチームです。 準決勝の水口高校は完全にその術中にはまってしまってDFラインが崩壊してしまいました。
総合力は圧倒的に野洲高校に軍配があがるものの、綾羽高校が一発を秘めているチームだけに試合が始まってからも何かザワザワした雰囲気が会場全体にありました。
野洲高校イレブンにとっては、この試合のメンタルコンディション作りは非常に難しいテーマだったと思います。 誰もが思う「普通にやったら勝てる」というシチュエーション。 対戦相手の綾羽高校は「野洲高校を倒すため今までやってきた by 琵琶湖放送」という。 綾羽高校は失うものがなく、ジャイアントキリングを目指して気力120%でぶつかってきます。 受けにまわってしまったら局面での一対一の勝負に負けてしまいます。 昨年のインターハイの敗戦がまさにそれが出てしまった試合でした。 この試合の野洲高校イレブンは そこのところを十分認識して気合負けしないように臨んでいたと思います。
試合開始からそれぞれ中盤の高い位置からの強烈なプレスのかけあい。 そしてボール奪取も互角の展開に、なんとなく「もし先制を許したら嫌な感じだなぁ」と思っていました。 それでも、野洲イレブンの動きの質と連動性そして個人の力は綾羽の気力を上回っていました。
前半19分、左サイドでボールを受けた14番梅村崇選手が素晴らしいスルーパスを8番潮入選手へ送ります。 潮入選手はキーパをかわしてライン際までドリブル、その時点で3人のDF+キーパがゴール前を固めています。 10番坂本選手が一瞬DFのマークを外すようにすばやく動きます。そこにボールを入れると見せかけて、ほぼ角度0度のところから、右足でボールをゴールにねじ込むようなシュートを放ち、虚をつかれたキーパとDFは。クリアできずGOAL!!
まさに瞬間瞬間の連動性と個人技で奪った先制点。 梅村崇選手のスルーパスを出す前の中へ切れ込むドリブル、そして鋭角に意外な方向に放たれたスルーパス。 それにドンピシャに反応した潮入選手、ゴール前で鋭い動きでラストパスを誘いDFを一瞬混乱んさせた坂本選手、そして角度の無いところからの虚を衝くシュート。 一瞬にして固い守りを無力化してしまう野洲の攻撃陣。 やはり凄い! 横で観戦していたサッカーファンは「いったいなにがあったんだ? オウンゴールか?」と??ハテナマーク全開でした。 観客をも惑わす野洲高校の素晴らしいプレーでした。
綾羽高校は先制されたあとも、プレスをかけ続け、ボールを奪取したら前目の選手が一斉に動き出すダイナミックな動きは変わらず、中盤の激しい攻防が続きました。
そして10分後、また左サイド。 今度は7番藤野選手が相手DFのマークを切れ味鋭いドリブルで振り切りライン際をえぐってきます。 そして、10番坂本選手が一瞬のうちにDFのマークを外す動きをします。 1点目と状況はまったく同じ。 ここで藤野選手はパスを選択。 綾羽の選手がうじゃうじゃ(エリア内に7名)いる中、まさにピンポイント。 ここしかないというところに ここしかないというタイミングと強さで放たれたパスに坂本選手が合わせてゴール!! 本当に素晴らしい得点でした。
その後も、ダイレクトで縦につないで坂本選手が最後あと一歩及ばずというセクシー且つ惜しいチャンスもありましたが、前半は2:0で終了しました。
後半は、3年生の交替選手を続々と投入。 サイドに入った5番冨田選手、ボランチに入った6番中川選手、そしてスーパーサブ12番福原選手、それぞれが十分に持ち味を発揮。 前半に比べて格段に動きも良くなり、3点目、4点目が決まりました。
しかし綾羽もしぶとい前線でのチェックはまだ健在です。 そんな綾羽の頑張りにサッカーの神様がプレゼントをくれたような点が綾羽に入りました。 DFラインでの横パスをカットして豪快なシュート!! まぁ単純に不用意なパスだったのですが、ドリブルしてキーパと一対一というのはなかなか決められるものではありません。 綾羽高校の執念が生み出したパスミスであり、素晴らしいシュートだったと思います。
その後、綾羽が押す場面もありましたが、5点目がほどなくして入り、その後、期待の一年生佐藤選手が入りチャンスを演出するなどしましたが、5:1で試合終了。
どうしても受けにまわってしまうシュエーションでの非常に難しい試合で、決して万全の出来ではありませんでしたが、終わってみれば5:1。 こういう試合でもしっかりと自分たちのスタイルを貫いて勝ちきる強さが今年のチームにはあります。 調子が良いときに強い というのは今年何度もそういう試合を見せてもらいましたので自信を持って言えますが、この試合では、調子があがらなくても勝負に勝てる というところまでチームとしての連動性、結束力が強化されてきたことがわかります。
結束力というか、チームとしての強さという面で、
スタメンでボランチで出場した2年生の星選手は、ここまでほとんど公式戦には出場しておらず 大抜擢だったのですが、やはり決勝戦という大舞台で緊張からか なかなか試合に入り込めず有効なプレーが出来ていなかったように思います。 それでも、きちんとまわりの選手がそれをうまくカバーしていました。こういうところが、チームとして成長したなと実感するところです。 星選手は身体も大きくフィジカルもかなり強そうな選手で、実力はスタメン組にまったくひけをとらないものを持っているのだと思います。 それでも、あれだけ人もボールも速くめまぐるしく動く野洲高校のサッカーですから、トレーニングマッチなどと違って異様な雰囲気の中でやる試合で、しかも全体としての連動性がうまくいっていない中で、いきなり はいってうまく流れに乗るのは至難のワザでしょう。 恐らく星選手自身も不完全燃焼と感じているのではないかと思いますが、私を含めて野洲ファンの期待が大きい選手です。 自信を持って吹っ切れてプレーしてくれれば素晴らしい結果がついてくると思います。 星選手も含めて2年生には来年も含めてとても期待しています。 もっと出来る! 頑張れ2年生!!
ちょっと脱線してしまいましたが、野洲高校のチーム力は非常に強固なものになってきたように感じました。 3年生の中でも、サブにまわった選手、応援にまわった選手、受験のためチームを離れた選手、1・2年生、マネさん、父母の会、それぞれがチームのために戦っている、そんな雰囲気がいろいろな場面で伝わってきます。 そして試合に出る選手たちは夫々重たいものを背中に背負いながら自分たちのサッカーを表現し続ける。 ファンとして周りから遠目で眺めているだけなので本当のところはもちろんわかりませんが、この試合を観戦して、一年間いろんな試合がありましたが、「本当にいいチームになったなぁ」と湧き上がっくる感慨深いものがありました。
対戦相手の綾羽高校ですが、1年生が多い若いチームでここまで野洲高校を苦しめたのは素晴らしいパフォーマンスだったと思います。来年、再来年には更に強くなって野洲高校の前に立ちはだかる存在になっていくと思いました。 水口を5:1で破ったのはフロックではありませんでしたね。 3年生の選手も気持ちが強く、力強さとスピードがあり素晴らしいプレーをしていました。
最後に、決してレベルの低くない滋賀県で、V4(4年連続優勝)というのは本当に凄いことだと思います。 重ねてV4達成おめでとうございます!
もちろん、年末年始には全国の舞台が待っています。 これからが本番!! 昨年、一昨年と2試合目で惜しくも敗れていますが、今年は更に上を目指せるチームだと思います。 これから1ケ月半、悔いのない準備をして また全国のサッカーファンに素敵なプレーを見せてください!! 楽しみにしています!!
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この試合のblog記事をいくつかご紹介いたします。
むぅみぃの日記
楽浪の近江
BLOG Hideo_Yoshida
ゆっくりと
(お薦め)フットボール定食
綾羽高校サッカー部私設応援サイト(決戦前の様子)
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頑張れ野洲高校!!!
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