「挑発的な(provacative)質問になったら申し訳ありません。しかし、韓国と関係のある私としてはとても胸が痛み、慰安婦問題について質問せずにはいられません」
6泊7日の日程で訪米中の安倍晋三首相にとって最初の公開行事だった27日のハーバード大学ケネディ行政大学院(ケネディスクール)講演。安倍首相は約9分間という短い講演で、慰安婦問題をはじめとする歴史問題について一言も言及しなかった。安倍首相の講演は日米同盟強化とアベノミクス(同首相の経済政策)に焦点が当てられた。
講演後の質疑応答で、同大学の学生たちも日米間のエネルギー協力や東アジア地域紛争緩和のための日本政府の努力など、日本に友好的な質問をした。埋もれてしまうところだった慰安婦問題を取り上げたのは4人目の質問者として立った韓国系のジョセフ・チェ(韓国名:チェ・ミヌ)さん(20)だった。ハーバード大学のロゴ入りトレーナーを着たチェさんは、丁寧で落ち着いた口調で「旧日本軍と政府が慰安婦連行に関与したという強力な証拠があるのにもかかわらず、なぜ日本政府は慰安婦数十万人を強制的に連行した事実を今も認めていないのですか」と質問した。チェさんは安倍首相の前で「性奴隷」(sexual slavery)という直接的な表現を使った。今回の訪米期間中に歴史認識問題が取りざたされることを望んでいなかった安倍首相に対し、回答せざるを得ない状況を作ったのだ。
安倍首相は「慰安婦問題について言えば、人身売買の犠牲になり、形容しがたい苦しみや痛みを経験した方々のことを考えるたびに、私は胸が痛む」と遺憾の意を表明したが、人身売買の主体が誰だったかは言及しなかった。慰安婦問題に対する謝罪やおわびの表現もなかった。チェさんはこの講演後、本紙のインタビューに「昨日(26日)、元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さん(86)がハーバード大生との懇談会でつらい経験を証言、涙したのを見てとても胸が痛んだ」「朝早くケネディスクールの前でほかの学生約100人と『反安倍』沈黙デモに参加した後、慰安婦に関する質問をするためわざわざ講演会場に入った」と言った。