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外国人差別でミシュラン寿司店が炎上?!日本には“建て前力”が不足している(高口)

2015年04月29日

ミシュラン2つ星の名店が外国人を差別したという話が話題となっている。


■騒ぎの概要:外国人差別化、それともやむをえない対応か

日刊ゲンダイ|差別? 予約拒否された外国人が憤るミシュラン寿司店の対応

 今月8日、莫氏の秘書(日本人女性)が「水谷」に電話をし、5月12日に4人で訪れたいと伝えたところ、「空いています」との返事だった。ところが、連絡先や氏名を伝えると、「えっ、海外の方ですか?」と聞かれ、日本在住であることを伝えても、「日本人は同行しますか」「調整が必要です」の一点張り。莫氏本人が電話を代わり、4人とも中国人で、しかし自分は来日30年でジャーナリストとして仕事をしていること、今回の食事が莫氏側の招待であること、招待客の1人は日本に留学経験があり、日本の政官界とも仕事をしている社長であることなど、本来なら伝える必要のない個人情報まで明らかにしても、「調整が必要です」とハッキリしない態度だったという。


外国人差別はいかがなものかとの声が上がり、さらには英語圏・中国語圏のメディアまで取り上げる大騒ぎに。一方で擁護論もあるようだ。



興味を持った方はpositive gamma 2015さんの一連のツイートすべてに目を通して欲しいが、外国人、とりわけ中国人のドタキャンが多く、なんらかの対策はいたしかたないという

この手の話はなにも今回が初めてではない。昨年、京都の町家体験ドミトリー・西陣叶屋が公式サイトに以下の一文を掲載して、台湾メディアに取り上げられた(Recordchina)。

台湾人旅行者は14年に150泊のキャンセルがありました。そこで台湾人だけを対象に予約金を徴収させていただきます。あなたたちはわれわれを殺そうというのですか?

なお現在は公式サイトにこの文言はない。


■今こそ「建て前」を身につけよう

さて、この一件だが、いったい何が問題なのだろうか。私は「建て前力」(たてまえりょく)の不足なのではないかと感じる。

「ドタキャンを放置していては商売あがったり」「ドタキャンは外国人が多い」という前提があったとしても、素直に外国人だけに制限をかける、差別する手法は人権的にNGだ。「ドタキャン・リスクが高い客を避ける」という目的を実現するためにどうすべきか。「外国人を規制する」のではなく、人種、性別、出身、身分などの差別に抵触しない方法を考えるべきだ。

具体的には「前金を取る」「店舗を訪問した人だけ予約可」「日本国内の住所・電話がある場合だけ予約可」「予約は常連客かその紹介だけ受け付けます」といった方法が考えられるのではないか。

差別ととられる手法を使えば公にさらされた時に炎上する可能性は否めない。ミシュラン2つ星の名店ならばなおさら慎重になるべきだろう。炎上を避けるためには穴のない建て前を構築する力が求められている。

「面倒くさい」「こんなルールを作ったら日本人のお客さんが逃げてしまうのでは」などの心配もあるのだろうが、この国際化のご時世に炎上しないためには備えが必要だ。この問題は個別のお店の限らない。社会全体で「これはNG」というラインを共有すること、思ったことを素直に言わず婉曲的に目的を達成する「建て前力」を寛容することに取り組むべきではないか。

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