2015-04-29

アニメ業界場合妄想してみる

単純化のために、雇用形態考慮せず、とりあえず一人に年間300万以上渡す会社だけ残れるような法律が成立したとする。

当然、国内動画を描くという職業は成立できず、すべて海外発注となる。

原画を描く人は、現状でも大元ジャニカ調査見ても300万弱が平均なので、これ以上の工程国内に残る。原画特に手の遅い人・下手な人は生き残れないかもしれないが、動画国内工程を全廃することのコストダウン効果が多少働くので、おそらく原画はほぼ全員残り、制作能力は「とりあえず」温存される(本当は第二原画というポジション機能しなくなる可能性が高いので制作力は落ちると思うが)。

この状態で何年間かが過ぎたとする。

動画仕事国内にない以上、望めば誰でもアニメーターになれる時代は終わる。OJTで、大量の動画を描くことこそがもっと効率的原画マンになるための訓練なのに、それをやる方法がなくなるからだ。

原画マンになれそうな見込みのある人間を雇って、相場よりも高い給料を払って動画勉強をさせる」という選択肢はほぼありえない。零細企業の多い制作会社でそれだけの余裕があるところは少数だし、原画を描けるようになったところで独立移籍されたら単なる丸損である。また、「生活できない収入しかもらえないからこそ、死にものぐるいで練習して少しでも早く原画に上がれるように努力する」というのがなくなると、「いつまで経っても上達せずにだらだら過ごしてしま人間」も出る(実話)。

たぶん設立/改組されるであろう、「学費が高い代わりに本気の訓練を行う専門学校」での勉強を経ないと、業界に入れなくなるだろう。もっとも、他の業界を見るに、学校を作っても「やる気のない、なんとなく来てる若者がだらだら2年過ごす場所」になってしまい、卒業しても業界に入れる人は少数、という可能性もあるが。あとは海外スタジオでの下積みを経てkey Animatorになる人とか、完全な独学って人も少しは出るだろうけど、両方あわせても年に5人でるかどうか、レベルだろう。

結果として、若手原画の増えるペースは落ち、現状でも不足している原画マンの奪い合いになって生産されるアニメクオリティは落ちる。

当然、これを回避する簡単な方法はある。法律に縛られないように、海外動画会社を作り、動画志望の若者はそこに行くようにすればいいだけの話である国内実家から通える会社に行ったり、仕送りを受けながら、薄給に耐えて原画マンを目指す現状と比較して、何かが改善されたかどうか、はっきりしない。むしろ海外で逃げ場がない分、待遇悪化する可能性すらある。

こういう状況を作るのが目的? 違うよね?

まり、300万円保証改善策にはならない。かといって、

などの選択肢現実的とも思えない。前者は労働強化の一種で違法香りが漂うし、後者をやったら産業が成立しなくなる。

万能の解決策だとみんなが勘違いしている

も実際には解決策たり得ない。

この場合、配分を下に厚くするよりは、稀少性の割に報酬が薄い作監監督といった上の人たちに回す分からやすことになると考えるのが自然である動画海外に投げようが、新人を苦労して育てながら使おうが、作品の質にはほぼ影響しない。一方、上の人たちに掛け持ちを減らしてもらって、作品への専念度を上げてもらうことは、質の向上に直結する。

じゃあどうすればいいのか? オレが教えてほしいわい、んなもん。

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