【コラム】日本の無責任、韓国の無能

日本の無責任と不義、韓国の読み違いと政策ミス
ゆがんだ日本を正すには、外面的な外交から積極外交への転換が必要

 一方の米国も中国をけん制するため、日本を自分たちの側に引き入れようとしているのは事実だ。ただし米国は、内心では日本が米国を信じて中国と衝突することを警戒してきた。安倍首相は先日インドネシアで行われたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)での演説で、過去の戦争に対する反省に言及することで中国に配慮し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への出資もにおわせることによって習近平国家主席との会談を実現させた。その結果、安倍首相は米国の不安を和らげることにも成功したわけだ。

 韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は先日、米中両国の板挟みとなっている韓国のジレンマについて「両国からラブコールを受けている状況は、厄介なことではなく、祝福と受け止めるべきだ」と語ったが、これはどう考えても事実に反する。ただし、韓国を飛び越えて米国と中国に配慮する日本の前で冷静さを失う必要もない。日本の国際政治学者が語ったように、日本は昔から外交を苦手とする国だ。すぐに本心をさらけ出し、いたずらに周辺国の恨みを買う日本はどう考えても外交下手であり、実際にその政策はまさに後進的だ。

 日本は過去100年にわたり英国の外交政策を手本としてきたという。ちなみに英国の議会広場には今年3月、自国による植民統治に反対したガンジーの銅像が建立され、2007年8月には同じ場所に、英国による植民地支配の名残であるアパルトヘイト(人種差別政策)と戦った南アフリカのネルソン・マンデラ大統領の銅像も建立されている。これに対して日本は植民地支配への反省を表明した村山談話や、従軍慰安婦動員の強制性を認めた河野談話の見直しに向けて動き出している。英国と日本の動きはまさに対照的だが、その一方でこれを見ると、100年たっても師匠は師匠、弟子は弟子の立場にとどまっていることが分かる。

 米国のキッシンジャー元国務長官は「二つの国が同じ単語を違う意味で使ったときに外交は行き詰る」とした上で、その次の段階として「外交という建前でオウムのように同じ言葉を繰り返し、相手の悪意を暴こうとするようになる」と語った。今の韓国と日本がまさにそうだ。

姜天錫(カン・チョンソク)論説顧問
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