4月末から5月にかけて数日間、韓国、中国、日本の国民15億人が米国ワシントンに注目する。30億個の目と耳が、これまで多くの注目を集めてきた安倍晋三首相による米国訪問で何が起こるのか、目を凝らして見詰めるることだろう。安倍首相の米国「公演」のクライマックスは、29日に予定されている米国上下院合同会議での演説だ。日本の首相が上下院合同会議で演説するのは安倍首相が初めてだ。
韓国は李承晩(イ・スンマン)大統領が1954年7月28日に演説を行って以来、複数の大統領がすでにその場に立っている。日本の経済力と米日同盟の歴史から考えれば、安倍首相が今回の演説を行う初めての首相というのはかなり意外な感じもする。日本は1941年12月7日、宣戦布告のないままハワイの真珠湾を攻撃した。その翌日にルーズベルト大統領が「12月7日は『恥辱の日』として覚えられるだろう」と述べ、日本に宣戦布告を宣言する演説を行ったその会場も、今回と同じ上下院合同会議でのことだった。これら一連の歴史的経緯を考えれば、これまで日本の首相がこの場に立てなかったことも少しは理解できるかもしれない。
それだけに、日本は今回の安倍首相訪米に向け、事前の準備に相当な力を入れてきた。まず、長い間両国の懸案だった沖縄の在日米軍基地問題をめぐり解決の障害を取り除いた。さらに米日防衛協力の指針、いわゆる「ガイドライン」についても米国の意向に沿った形で改定を行った。中国と領有権を争う尖閣諸島については、米国から具体的かつ確実な言及を引き出したが、これも今回の事前準備の過程で得られた成果だ。オバマ大統領が力を入れている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の締結に向けた交渉にも前向きに取り組み、完全妥結に向けて大きく前進している。数十年にわたり米国の各界で育ててきた知日派、親日派の人脈は、今回の安倍首相訪米を前にさまざまな形で雰囲気づくりをサポートしている。先日米国で行われた世論調査では「日本を信頼する」という回答が68%に達し、「韓国を信頼する」の48%を上回った。この数字も、これまでの日本の努力が確実に結実していることの証だ。