海洋深層水産業を新たな成長エンジンに 韓国政府が育成策

【世宗聯合ニュース】韓国の海洋水産部は28日の閣議で、東海の海洋深層水を活用して食品、農業・畜産業、海洋エネルギーなどさまざまな産業の育成を目指す「海洋深層水融合・複合産業育成案」を報告した。

 海洋深層水は太陽光が届かない水深200メートル以深の深海に存在し、栄養塩類が豊富で有機物や病原菌をほとんど含まない。東海の海水の約95%が海洋深層水だ。

 海洋水産部は海洋深層水を用いた食品産業の育成に向け、現在はキムチ類など6種類の食品に使用を限っている海洋深層水の処理水を全食品に利用できるよう、上半期中に法改正する方針だ。

 また、未来創造科学部などと連携して海洋深層水の効能を研究し、これを基に高付加価値の機能性食品や健康補助食品を開発する。

 海洋深層水を活用した病虫害予防研究、高機能性農作物栽培研究を農林畜産食品部と共同推進するほか、産業通商資源部と連携して海洋温度差発電システムの開発などにも取り組む。

 韓国ではこれまで、海洋深層水の活用は飲用が中心で、食品分野でも豆腐やキムチなど一部の食品に限って使われてきた。化粧品や農作物栽培にも活用した例があるが、活性化には至らなかった。

 海洋水産部は、海洋深層水産業とほかの産業を融合させ、新たな成長エンジンに育てることで、2024年には1兆5000億ウォン(約1670億円)規模の新規市場が生まれ、1万4000人の雇用創出が見込めるとしている。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース