知日派米知識人、日本の地域覇権・膨張主義復活に懐疑的

マイケル・グリーンCSIS副理事長インタビュー
「韓日、ワシントンで後ろ指さし合うなら双方にとって損」

-一部には、米日同盟の強化や集団的自衛権行使などを通じ力を誇示している日本について「地域覇権を手にしようと欲を出しているのでは」との懸念もあるが。

 「絶対にできない。日本の集団的自衛権もガイドラインも、米軍を保護し、米国に依存する構造だ。独自の能力を引き上げるものではない。1930年代の日本は独自の力があった。だが、今は違う。日本の軍事力は米国と共にあるよう設計されている。6・25(朝鮮戦争)時に日本を輸送基地のように利用したように、ミサイル防衛や情報収集といった軍事的取り組みは韓半島(朝鮮半島)防衛に大きな助けになる。米国は、米日同盟強化が韓国の助けになるということを理解してくれるよう望んでいる」

-歴史を歪曲(わいきょく)し、過去を反省していない状況で、日本帝国主義の「栄光」を再現しようという膨張主義的欲望がよみがえりはしないだろうか。

 「米国はそうした心配をしていない。中国は軍事力を伸ばしているが、日本は維持している程度だ。1995年以降、中国は毎年15%ずつ軍事費を増強してきた。7年で2倍になる計算だ。日本が同期間に増やしたのは2%に過ぎない。5年後には中国海軍と空軍を合わせた軍事力の方が韓日を合わせた軍事力を上回る。日本は中国に対抗するため同盟を強化しているのだ」

-日本は中国という変数を過度に強調しているとの指摘もあるが。

 「中国をどのように見るかをめぐり、韓国と日本の見解は分かれている。両国の専門家の意見を聞くと、米国が主導する安保システムにはどちらも同意している。だが、韓国にとって中国は新たな経済的チャンスだ。貿易量を見ても、米国と日本を合わせた量より多い。北朝鮮に相対することを考えても中国は必要だ。さらに、韓国にとって中国は直接的な脅威ではない。一方、日本にとって尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる中国との対立は直接的で、軍艦が動員されている。日本は中国と同じく自国がメジャーなパワーだと思っている。過去100年間にわたり日本が同地域を率いてきたが、今後は中国が『我が国がやる』と立ち上がった形だ。このため、衝突が生じざるを得ない。韓日両国は中国に対する考え方が異なるため、認識の差が出ている」

ワシントン=ユン・ジョンホ特派員
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