第2次世界大戦以降、過去の暗い影を乗り越えようと努める中で、米国と日本は同盟関係を結び、維持してきた。日本の政治的・財政的な支援は、さまざまな国際イシューにおいて米国の立場を強める上で、なくてはならないものとなっている。それには、あらゆる形態のテロと戦うこと、エボラ出血熱の感染拡大を食い止めること、気候変動問題、ロシアによるウクライナ侵攻への一致した対応、人権と民主主義のための決起などが全て含まれている。また、日本とは2013年基準で2億ドル(現在のレートで約238億円)以上の貿易を行い、米国にとって4番目の貿易相手国となっている。
先の日本訪問により、米日同盟がアジアと世界における米国の安全保障上の利害関係に本当に重要だということをあらためて感じた。米国と日本の結び付きは、地域の安定になくてはならないものだ。両国関係は価値の共有に基盤を置いている。両国共に政治・経済的自由を増進させ、維持すべきとの考えを持ち、人権と民主主義体制を尊重している。両国の繁栄を守り、全世界を持続的に発展させていくべきだという考えで一致している。もし安倍首相が、かつて人権侵害があったと言及すれば、世界の人々は「日本が国際正義を守るために献身している」という点をもっとよく知ることができるだろう。
安倍首相は今回の訪米で、第2次世界大戦の記念碑に立ち寄ると聞いた。こうした象徴的な行為こそ、大戦に参戦した軍人とその家族がつらい歴史の1章を閉じる上で役立つに違いない。兄弟が大戦に参戦したため、よく知っている。
私は6・25戦争(朝鮮戦争)参戦兵として、戦争が筆舌に尽くし難い苦しみと痛みを人々に与えることを十分に知っている。今日の指導者らは子孫たちによりよい世を残すため、和解に努めなければならない。安倍首相は今、「最も親愛なる友人」と誇らしげに呼ぶ韓国国民の傷を癒すことで、歴史を進展させるチャンスを手にしているのだ。