【ミュンヘン=加藤貴行】欧州ソフトウエア最大手の独SAPは27日、スポーツ選手の健康状態などを管理できるウェブ上のサービスに参入すると発表した。昨年のサッカーワールドカップ(W杯)で優勝したドイツ代表を陰で支えた実績をふまえ商用化した。まず今夏からサッカー向けに提供を始め、来年以降は他のスポーツにも応用する。企業向けに強いSAPは新分野を切り開く。
サービス「スポーツワン」はクラウドサービスで提供し、SAP独自のデータの高速処理技術と組み合わせる。個々の選手の試合でのパフォーマンスやトレーニング計画、けがの回復度合いなどを包括して管理し、監督や医療スタッフらが情報を共有できる。試合中の選手のボール保持状況など外部データと関連づけ、分析することも可能だ。
SAPはドイツ代表や同国を代表するサッカークラブ、バイエルン・ミュンヘンなどに実験的に納めてきた。これらの実績をふまえ外部に売り出すことにした。SAPは企業の会計、人事などの情報を網羅する統合基幹業務システム(ERP)の世界最大手。ERPのノウハウも生かし、企業経営との相似点が多いスポーツクラブなどに売り込む。
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