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itouitou  - ,,  09:00 PM

すでにある解決策で十分。足りないのは徹底すること

すでにある解決策で十分。足りないのは徹底すること

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ワークフローを改善したり、パフォーマンスを向上させようとするとき、既存のスキルには目を向けず、新しい戦略を探すことばかりに注意が行きがちです。しかし、すでに知っている古い解決策こそが、ベスト・プラクティスであることが多いのです。足りないのは、「徹底すること」です。

2004年、ミシガン州の9つの病院が、集中治療室(ICU)での処置に関する、ある新しい手順を導入しました。ヘルスケアの専門家たちは、幾日もたたないうちに、その成果に唖然とすることになります。

この手順が導入された3カ月後には、集中治療室における患者の感染が66%も減少していました。18カ月間で、医療費が7500万ドル削減されました。そして、なによりもよいのは、一年半で、1500人以上の命が救われたことです。その後、この手順は『New England Journal of Medicine』で発表され、大評判となりました。

この魔法の医療は、あなたが思うよりずっとシンプルなものです。それは、たった1枚のチェックリストでした。


手順を飛ばさないことのパワー


ミシガン州の病院に導入されたこのチェックリスト戦略は「Keystone ICU Project」と名づけられました。この戦略は、医師のピーター・プロノボスト氏によって指揮され、のちに、作家のアトゥール・ガワンデ氏によって広められます。

ガワンデ氏は、ベストセラーとなった著書『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』の中で、ピーター・プロノボスト医師がシンプルなチェックリストを使っていかに劇的な成果をあげたかを描写しています。その中で、中心静脈カテーテルの挿入時(よくある処置のひとつ)に使われ、感染リスクを削減することに貢献した、1枚のチェックリストについて以下のように説明しています。


1枚の紙に、(プロノボスト氏は)カテーテル挿入時における感染予防のための手順を並べた。医師は以下の処置を実施すること。

(1)石鹸で手を洗う
(2)患者の皮膚をクロルヘキシジンで殺菌する
(3)滅菌覆布で患者を覆う
(4)マスク、滅菌ガウン、滅菌手袋をつける
(5)カテーテルが挿入されている場所を滅菌包帯で覆う。

チェック、チェック、チェック、チェック、チェック。

それぞれのステップはごく簡単なものだ。ずっと以前から知られ、そうするように教えられてきたことでもある。チェックリストにするのが馬鹿らしく思えるほどだ。プロノボスト氏は、集中治療室の看護師に頼んで、医師たちがカテーテルを挿入する際に、この手順をどれくらい守っているかを、1か月間、観察し・記錄してもらった。結果、3分の1以上の患者において、少なくとも1つの手順が飛ばされていたことがわかった。


この5段階のチェックリストこそが、ミシガン州の病院において1500人以上の命を救った解決策だったのです。少しの間、このことを考えてみてください。そこには何の技術革新もありません。薬学的発見も、最先端の手順もありません。ただ、医師たちが手順を飛ばすのをやめただけです。すでに知られていた解決策を、より徹底して実行したに過ぎないのです。


新しい解決策 v.s. 古い解決策


私たちは、すでに知っている答えを過小評価する傾向があります。古い解決策を十分に活用していないのです(それがベスト・プラクティスだとしても)。古い解決策は、すでに試されたものに見えてしまうからです。

ここに問題があります。「誰もがそのことを知っている」のと「誰もがそのことを実行している」のでは大きな違いがあります。その解決策がすでに知られているものだとしても、実行されているとは限りません。

また、ときどき実行されているのと、毎回実行されているのでは大きく違います。医師たちはみな、プロノボスト氏がチェックリストに書いた5つの手順を熟知していました。しかし、すべての手順を毎回きちんと実行していた医師は、ほとんどいなかったのです。

私たちは、本当に進歩したいなら、新しい解決策が必要だと考えがちです。しかし、そうとは限らないのです。


すでに持っているものを使う


このパターンは、企業や政府だけでなく、個人の生活の中でも見られます。私たちは、既存のリソースやアイデアを紙くずのように扱います。それがエキサイティングで斬新なものに見えないというだけの理由でです。

徹底しさえすれば、確実な進歩をもたらしてくれる習慣的行動が(大小を問わず)たくさんあります。毎日、歯にフロスをかける。ワークアウトをサボらない。毎日、基礎的なビジネスタスクを実行する(時間があるときだけでなく)。もっと頻繁に謝る。毎週、お礼の手紙を書く...。

もちろん、こうした解決策はどれも退屈なものです。基礎をマスターするのはセクシーなことではないでしょう。でも、効果はあるのです。どんなタスクに関してであれ、シンプルなチェックリスト(以前から知っている基本中の基本でよい)を作成することはできるはずです。そして、そのチェックリストを徹底して実行すれば、ただちに成果があがります。

往々にして進歩とは、退屈な解決策や、活用されていない洞察の陰に隠れています。新しい情報は必要ありません。より良い戦略も不要です。あなたがすべきなのは、すでに持っている解決策を、より徹底して行うことだけなのです。


Do More of What Already Works | James Clear

James Clear(原文/訳:伊藤貴之)

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