【ネパール大地震】犠牲者8000人の恐れ、エベレストでは200人が足止め

2015年4月27日18時39分  スポーツ報知

 ネパール大地震は27日、死者がネパールと近隣国を含め計3800人超となり、4000人に迫った。災害当局者によると、死者は8000人に上る可能性がある。

 国際支援が本格化する一方で山間部では支援が難航。がれきの中には多数の行方不明者がいるとみられ、生存率が急激に下がるとされる発生後72時間が迫る中、救助活動は時間との闘いに入った。日本の国際緊急援助隊の救助チーム約70人は27日、カトマンズの空港が混雑しており着陸できず、同日中のネパール入りを断念。インドの空港に引き返した。28日朝に、再びカトマンズに向かう。日本政府は、新たに医療チームの派遣も決めた。28日に出発する。

 27日付の地元紙ヒマラヤン・タイムズなどによると、世界最高峰エベレストでは、地震による雪崩で日本人の男性を含む少なくとも登山者19人が死亡、70人以上が負傷した。下山ルートも破壊されたため、標高約6000メートルの高地に登山者200人以上が足止めされている。

 被害が大きかったベースキャンプには雪崩発生当時、外国人400人を含む約1000人がいたとされる。ロイター通信によると、救助ヘリ3機が両方のキャンプに到着。天候は良好だが、現地の空気が薄いため1機につき登山者2人しか搬送できないという。ネパール政府はこれまでに救助ヘリで負傷者70人以上をカトマンズに搬送した。地元登山ガイド関係者によると、登山者が持参した食料や酸素なども不足し始めている。

 ネパール内務省などによると、カトマンズの病院では病室が足りず、病人や負傷者が屋外で治療を受けている。現地の援助団体には、地滑りにより山間部の村々が壊滅的な被害を受けているとの情報も入り始めた。ネパール政府は水や食料、薬の供給に全力を挙げているが、地震による地滑りで道路が寸断された山間部には必要物資が行き渡っていない。

 震源に近い農村部の中部ゴルカ地区の当局者は「あちこちで行方不明者が出ている。被害の詳細を言うのは極めて困難」と強調。住宅の70%が損壊した村々があるとし「被災住民の食料や避難所が足りない」と訴えた。(共同)

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